「諦めたらそこで試合終了」~8.12,13大日「最侠タッグリーグ」観戦記~
8.12、8.13は、後楽園ホールで大日本プロレスを観戦してきました
この日は最侠タッグリーグ開幕戦!
この二日間でストロング・デスマッチの両ブロック、計14チームの試合を見ることが出来たんですけど、それぞれ特色が違っていて、見ていて非常に面白かった印象を受けました
今回は、出場各チームの公式戦を見た感想を、チームごとに紹介していけたらと思います!
■各チームの感想
■ストロングブロック
・橋本大地&神谷(「大神」)
前年度覇者として臨んだリーグ戦
初戦で浜&中之上に敗れるも、2戦目の和樹&青木戦では合体技・狩人も決まり、現在1勝1敗
大地も最近は顔にペイントを施すようになり、和樹&青木戦では青木に「(打撃の威力が)和樹の1/10なんだよ!」と叫ぶなど、相手の攻撃を受けつつも良い感じで挑発できるようになったのかなあ、と
この良い感じの上から目線が、先輩相手の試合でもガッツリ活きるようになると面白そうです
という訳で、「vs鈴木秀樹&関本」がクッソ楽しみ!
・鈴木秀樹&関本
タッグでの総合力で勝るのが「大神」なら、このチームは個々の力が際立った者同士が組んでる印象です
初戦は野村&阿部に押される展開が続くも、珍しくラフ殺法も持ち込む形で勝利
しかし、鈴木がある種アウトオブ眼中だった菊田&河上には、まさかの関本ギブアップで敗戦…
これは正直想定外だったのではないかと…
個人的に、初戦で攻めまくるアストロノーツにキレた関本が行った、Tシャツチョーク攻撃とかはかなり新鮮だったので、この二人をキレさせるチームが公式戦中に出てくると、もっと面白くなりそうな予感がしています(笑)
・浜&中之上
初戦は中之上が捕まる展開がありながら、前年度覇者の大神に勝利!
超重量の浜とのタッグになると、どうしてもパートナーである中之上が相手に捕まってしまう時間帯が長くなってしまうんですけど、それはある種仕方ない気もしてます(中之上云々という事では決して無い)
攻められてる時間(特に中之上)を耐えた上で、勝機をどれだけ手繰り寄せられるか、というのがかなり大事になってくる気がしました
しかし、浜のボディプレス⇒中之上のラリアットは必殺フルコースすぎる…
あんなの返せる人っているんだろうか…
・吉野&関札(「パーティーボーイズ」)
個人的に、この2日間で一番印象が変わったチームかも知れないです
Jr.のため、どうしても体格的に劣る部分を、互いの連携であったり、技量でカバーしていくという狙いがハッキリ見えたチームだったと感じた次第です
吉野って、アスリートジャーマンが必殺技という印象があったので、丸め込み技(メッセンジャー)がガッチリ極まると、ヘビー級相手でも返すのは難しそうな感じでした
幸先の良い連勝スタートになりましたが、鈴木秀樹&関本、浜&中之上とヘビー級の試合を控えているので、そこで勝ち点を稼げるかが今後鍵になる気がします
・橋本和樹&青木
パーティーボーイズがヘビー級との体格差を技量でカバーする意図が明確に見えた中で、対照的に真正面からバチバチファイトで押していたのがこのチームでした
どちらの戦法が対ヘビー級に対して勝ちに近いか、という観点で見ると、「技量でカバー」の方なのかも知れないですけど、「体格差、そんなの関係ない」ぐらい真っ向から押していくチームも見ていて刺激的なんですよね
実際、12日にJr.王者になったばかりの和樹のエルボーも、ヘビーに負けないレベルで凄く重い音がしましたから、この打撃技がヘビー級相手に突き通せると、相当面白いチームに成長していきそうな期待感がありました!
・河上&菊田
初戦のパーティーボーイズ戦では攻め方にチグハグさを感じた部分はあって、それで敗戦を喫した感があるんですけど、2戦目は鈴木秀樹&関本相手に激勝!
この1勝はめちゃめちゃ大きい!
菊田、今までのロングスパッツをやめて、黒い道着姿で登場して来たんですけど、バックボーンの空手を持ち込んだファイトが前面に出しやすくなったのかなあ、という気がします
そして、河上は持ち前の力技だけでなく、関節技で関本からギブアップ勝利を奪うなど、内容もベスト!
試合後、鈴木と関本に「白星配給係!」と言い放った部分も含め、痛烈だったと言いますか
正直言うと、開幕前は会社決定感をめちゃめちゃ感じたタッグチームだったんですけど、公式戦を見ていて、このチーム、ハマると面白そうですね!
二人とも体格も良いですし、これでブレイクしてほしい!
・野村&阿部(「アストロノーツ」)
個人的にストロングブロックの大穴に予想していたチームなんですけど、まさかの開幕2連敗スタート…
負けた2試合とも、決して内容は悪くなかったんですけどね
初戦の鈴木秀樹&関本戦も、今年5月に後楽園でやった時は野村と阿部がボッコボコにされていた印象が強かったんですけど、今回は勝てそうな雰囲気が確実にありました
鈴木も関節技やハイプレスをかける相手の打撃技に対して、珍しく苦悶の表情を浮かべていましたし、関本も相手の攻め方に手を焼いて苛立ってましたから
2戦目のパーティーボーイズ戦も、中盤までアストロノーツ優勢だったんですけどね…
個人的に、この2戦とも、前に前に攻めまくっていった時に生まれた一瞬の隙を、相手に突かれて負けた印象が強いんですよね
良い時は相手を分断出来ているんですけど…
そこさえ対策するだけでも、勝率はグッと上がる気がします
後半戦に期待!
■デスマッチブロック
・木高イサミ&宮本(「ヤンキー二丁拳銃」)
タッグ王座を返上後に迎えたタッグリーグ戦は、現在1勝1敗という成績
初戦の高橋&最上戦は、最上をいたぶり続けるなど終盤まで優勢だったんですけど、まさかの逆転負け…
しかし、2戦目の泥泥ブラザーズ戦では無茶に無茶を重ねながら(笑)、勝利!
2戦とも、思いっきりデスマッチを楽しんでる二人の姿が印象的でした
試合の流れも上手いこと掴んでる印象ですし、この後の公式戦も楽しみです!
・竹田&塚本(「CRAZY LOVERS」)
開幕戦では、デスマッチデビュー戦だった軍団師弟コンビの宇藤を容赦なく痛め付ける快勝っぷり
2戦目の高橋&最上戦では敗戦を喫するも「8割俺らのペースだった(by竹田)」という旨を述べるなど、試合は優位に進めてた感があります
文字通り「狂い愛」のデスマッチファイトは、タッグリーグでも存在感抜群!
チームとしても進化しつつあるので、ヤンキー二丁拳銃同様、今後の公式戦が楽しみです!
・星野&藤田(「泥泥ブラザーズ」)
公式戦は開幕2連敗という結果からスタート
この流れを覆す一番のヒントになりそうなのが、2戦目の「vsヤンキー二丁拳銃」戦でしょうか?
コンクリートブロックを使った試合形式で、相手にコンクリートブロックを置いてセントーンetc、無茶しまくりな攻めを披露していました
この「無茶をする」感が出せるのって、泥泥ブラザーズの泥臭さも相まって、良い魅力になっている気がするんです
その魅力を出していくことが、「=自分達の勝利」に繋がると思うので、残り4戦でどれだけ魅力を出して行けるかが、勝負の鍵になりそうだと私は思っています
・高橋&最上
今回のブロックで強敵だったヤンキー二丁拳銃とCRAZY LOVERSと序盤から当たる&最上がデスマッチ経験薄い、という状況ながら、2連勝でスタート出来たのはかなり大きい気がします
今後も最上が狙われるパターンは続くと思うんですけど、最上もフィニッシュ前のアシストで椅子攻撃を敢行したりと、良い部分は徐々に出てきていました
最上がK-DOJO所属なので、大日の参戦数が少なそうなのがネックなんですけど、その環境でこの連携が上手いこと築かれていくと、決勝トーナメントも夢では無いはず!
個人的に不安なのは、高橋が払い腰⇒間髪入れずにジャックハマー、という連勝パターンが相手に対策を立てられてしまった時と、最上にとって経験が無い蛍光灯デスマッチの時でしょうか
この勝利パターンが絶たれると、一気にピンチに陥りそうな気もするので、残り4戦はどうなるか、注目です!
・植木&佐久田(「三代目血みどろbrothers」)
キャリアが上の高橋ではなく、後輩の佐久田と組んで今回のリーグ戦にエントリーした植木
今までは高橋という、頼りになる先輩と組んでいた植木
彼にとって、今回は本格的に「後輩を引っ張る」という意味でも負けられないリーグ戦なのかなあ、と私は勝手に思っているんですけど、初戦は泥泥ブラザーズ相手に白星発進!
対戦を残す5チームは、体格差で自分達に勝る所が殆どだと思うんです
それを跳ね退ける意地が、残り5戦でどれだけ発揮されるかがポイントだと、私は考えています
・伊東&関根(「ダブルドラゴン」)
初戦は今大会注目の最強師弟コンビに勝利!
そこで見せた、関根のカミカゼ⇒伊東のドラゴンスプラッシュというコンボは正直エグイ!
見ていて、これは決まったら返せないと思わされたレベルでエグかったです(笑)
9月後楽園では、3年前のリーグ戦で勝利を挙げているヤンキー二丁拳銃を相手にするなど、注目カードを控えているダブルドラゴン
関根がどれだけ粘れるかで、決勝トーナメント進出の可能性が変動しそうな予感がしています
・アブドーラ小林&宇藤(「軍団師弟コンビ」)
ストロングBJで活動していた宇藤が、今大会でデスマッチデビューということで話題となっていたチーム
開幕2連戦は連敗でスタートという結果に…
しかし、私はこの結果に悲観していません(寧ろ期待感が高まった)!
その根拠は、宇藤の修正力にあります
初戦は元タッグ王者チームの塚本&竹田が相手だったのですが、正直言うと、彼らの蛍光灯を使用した怒涛の攻めに対して、宇藤が全く反撃できなかったんですよね…
試合後、竹田からは「蛍光灯にビビりすぎ」と辛辣なコメントも飛び出しました
しかし、その翌日に行われた関根&伊東戦では、蛍光灯をセットした上でラリアットを敢行したりと、宇藤の方から積極果敢に蛍光灯を使用する姿が見られました
相手の背中に蛍光灯をセットして手刀を敢行⇒傷口に破片を擦り込む、という、師匠・アブドーラ小林を彷彿とさせる技も使用!
結果は惜しくも敗戦に終わりましたが、ある種「何も出来なかった」初戦に比べて、攻め方のバリエーションが広がり、攻める時間が長くなっていたんですよね
公式戦2試合が終わった段階ですが、パワーファイターの宇藤が、デスマッチでの攻め方を徐々に覚えていくようになれば、間違いなく「鬼に金棒」という状況が出来上がる気がするんです!
私は、残りの4試合を、宇藤の修正力の高さに期待したい!
そう強く思わされた、ダブルドラゴン戦でした
■まとめ
開幕戦を連勝でスタートしたチーム、連敗でスタートしたチーム…
色々なチームがありますが、どちらにしても言えるのは「まだ2試合(チームによっては1試合)しか終わってない」という事!
半分以上消化していたなら未だしも、残りの公式戦が4~5試合あれば、今の結果が大きく変わる可能性も当然あるわけですから
10月まで続く長丁場のタッグリーグ戦、どのように順位が変動するか、今から楽しみでなりません!