4.30の昼は、アクトレスガールズの後楽園大会を観戦してきました。
昨年11月以来となる後楽園ホールビッグマッチとなったアクトレスガールズ。
私自身、アクトレスの観戦は前年5月以来、約1年振りでした。
色んな女子団体でアクトレスの選手を見るので、正直それだけ観戦期間が空いてた感覚が無いです(笑)
今回は、今年に入ってからシードリングも巻き込む形で流れが醸成された「安納サオリvs世志琥」の一騎打ちがメインイベントで組まれたのですが、そのメイン後のあるマイクに、私自身、どうしてもモヤモヤを消せないでいるのです…。
愚痴だったり、個人的意見が大半になりますが、どうしても書かずにはいられなかったので…。
■試合後の公開説教について
今回、メインで行われた「安納サオリvs世志琥」では、アクトレスガールズのシングル王者である安納を、世志琥がほぼほぼ一方的に攻め立てる形で勝利という結果に。
安納も世志琥をジャーマンスープレックスで投げる場面もありましたが、世志琥が強かったですね。
試合後、世志琥が安納に対して激を飛ばし、安納が涙声で「強くなる」と宣言。
ここまでは良かった。
その後、アクトレスガールズでマネージャーも務める堀田裕美子と選手達がリングに上がったのですが、堀田がマイクで選手達に向かってこう言ったのです。
「正直、
アクトレスガールズの今日の試合、メインが始まるまで不安でした。そして、
アクトレスガールズの試合全部通して今日、お前らが一番わかってると思う。プロレスってそんな簡単なもんじゃねーんだよ!甘くみんなよ。こうやってお客さん来てくれてんだよ!それを(メインの)安納が、世志琥が、救ってくれたと思う。」
「でもまだまだサオリがしっかりしなかったら
アクトレスガールズはほんとにアイドル崩れ、女優崩れ、そういう団体になっちゃうよ。私がどうじゃなくて、自分たちで頑張らなくちゃいけないよね?もうお客さんさ、三度も四度もないよ、自分たちでさ、このリングって何なのか何をしなきゃいけないのか、自覚しろよ!おいプロレスだぞ!違うだろ!」
「私も最後だよお前らに言うのは、お前らができなかったらもう
アクトレスガールズ面倒見ない。それぐらいの気持ちだよ。切羽詰まった気持ちってあるかお前?このリングそんな簡単なもんじゃねーんだよ!」
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もう、ハッキリ言ってしまえば、リング上での公開説教みたいなもんです。
かつてテレビで『ガチンコ!』という番組がやっていましたが、私には、あの番組で、講師が生徒にブチギレるシーンと重なって見えましたね…。
この公開説教について、女子プロレスファンの方や、女子プロレスに長く関わっていた関係者からも反応がありました。
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■「言うほど、メイン以外ダメだったか?」という疑問
個人的に、冒頭に述べたモヤモヤが大会後も拭い去れずにいる最大の理由は、堀田がリング上で「世志琥と安納が救ってくれた」と、暗に「メイン以外ダメだった」と断罪した所です。
私、思うんです。
「堀田が説教するほど、メイン以外の試合は果たしてダメだったか?」と
第1試合で川畑梨瑚が素晴らしい
ムーンサルトプレスを見せてまし
たし、第2試合では、
デビュー戦だった向後桃が先輩の五十嵐乃愛と熱いエルボー合戦を
見せました。
第3試合では、ベテランであるnoki-A&
さくらんボニータのジャベを駆使した攻めに押されつつも、
キャリアの浅い
関口翔と青野未来が、
試合時間の20分近くまで耐え抜いて善戦。
第4試合の「
本間多恵&茉莉vs
清水ひかり&堀田裕美子」は、
全体的に試合の間にも
たつきはあったものの、
会場の雰囲気がシラけたり、凍てついたりするような「大事故」
は無かった印象…。
何が腑に落ちないって、良い意味で20分があっという間に過ぎる位に、一進一退の攻防が続いた好試合にもかかわらず、前述の堀田の説教でこの試合が否定されてしまった所。
個々人の評価はあれど、公開説教でバッサリ切られる程の試合では無かった気が…。
寧ろ、私、この試合が今大会で一番良かったと思うんですけどね。
■客前での公開説教が、一番観客をなめてる
「プロレスなめんなよ」、「後楽園なめんなよ」と公開説教してた堀田ですけど、私は思うんです。
観衆のいる前で選手に説教する方が、金を払ってプロレスを楽しみに来たファンを一番なめてるんじゃないか、と。
個人の主観ですが、事情や理由は違えど、お客さんはプロレスや団体、選手など、ポジティブな思い(「楽しむ」、「感動する」etc)に金を払って来てると思うんです。
「選手や団体、試合を見に来た人」と、「選手が説教される様子が見たい人」、単純に、前者と後者なら一体どっちが多いんでしょうか?
試合の後で選手に公開説教という、ある種、試合以上に注目されかねない事を、何故指導役を務める人がやってしまったのか…。
価値観の違いなんでしょうけど、私としては「選手に説教するなら、せめてバックステージでやってほしかった」、「試合以外の部分で雰囲気をぶち壊した堀田が、一番客を(以下自粛)」と感じました。
■説教には金を出せない~お笑いライブで感じた事~
話は少々脱線しますが、
アクトレス後楽園大会から数日後の5/2~5/3に、日本武道館からほど近い科学技術館で開催された『Tシャツ・ラブサミット』というイベントに行ってきました。
その
イベントでは2日間、「お笑いサバイバーシリーズ」という、お笑い芸人が集結して、客が面白いと思った芸人に金を出す「投げ銭制」の企画が行われました。
そこで、某お笑いコンビが出た際、相方に対して「こいつはライブで思い切り滑った」などと、相方のダメな所を弄ったり、相方のやりたいネタをワザと無視する漫才をやってたんですけど、まあウケない。
ネタのチョイスや観客の琴線もあるとは思うんですけど、相方を公開説教するだけして放ったらかしにするなど、見ていて陰湿さや救いの無さを感じたんですよね…。
客席が完全に冷え切ってましたから…(結果、その日の最下位でした)。
この件で私自身感じたのは、「公開説教には救いがない」、「救いの無さに金は出せない」ということではないかと。
その場で上手くまとめてしまえる役割の人(先輩etc)がいるなら未だしも、そうでないと、会場が事故の如く冷え切るんですよね…。
アクトレスのメイン後の雰囲気は、まさにその時のお笑いコンビの雰囲気に酷似していました。
あの場で、キャリア的に見ても、堀田よりも場を収められる選手はいない気がするので、何で暴走しちゃうかなあ、と…。
■最後に
大体、そんな「プロレスをなめてる」選手がいたのだとしたら、そういうのは一番最初に、試合を見ている客に伝わってしまうものだと私は思うんです。
そして、
そういう選手をリングに上げるGOサインを出しているのは、指導役も務める堀田を始めとした、他ならぬアクトレス上層部なわけで…。
先日、OWE新宿大会に行った際、試合前にCIMAがリング上でこんな事を言っていました。
「今日の試合すごかったり素晴らしい点見つかったら全部選手たち褒めてやってください。この点駄目だったなと、何考えてんやとOWEふざけんなという点は全部僕にぶつけてください。もしくは中澤マイケルにぶつけてください。」
選手や大会で至らない部分があった時、CIMAは「(指導役だった)自分に責任がある」と。
でも堀田は、その矛先を、指導役である自分自身ではなく、選手にまず突きつけた。
そこに違和感MAXなんですよね…。
そういう選手がいると考えるなら、その選手を上げた自分自身への批判は無いのかと。
そして、メインで安納と対峙した世志琥が
、「少なくとも今日はタレント崩れの安納サオリじゃなかったと思うし。」、「自分は今日、(中略)女子プロレスラーの安納サオリと試合して勝ったので、大満足です」と言ってる所を見ても、
「アクトレス=アイドル崩れ、女優崩れ」と思ってるのって、実は他ならぬ堀田自身なんじゃないか、と、
意地悪ながら感じてしまうのでした。
現に、今年に入ってから、アクトレスの所属である高瀬みゆきとかのTwitterを見ていても、シードリングの中島亜里紗から「アイドル崩れ」と痛罵されながら、必死に這い上がって、有田ひめかと共に中島のチームからタッグ王座獲得という快挙をやってのけたではないですか!
リングに上がれば、それは「=レスラー」としての評価になる訳で。
実際、この記事を書いている途中で知ったのですが、今大会でデビューした向後桃という選手は、プロレスの練習を始めたのがデビューの約4週間前(4.4)だったそうです。
しかし、彼女は、放つエルボーの一つひとつも強かったですし、全然そういう拙さは見ていて感じませんでした。
寧ろ、その事実を知って私自身驚きましたから(笑)
「向後桃、凄いなあ!」と
だからこそ、あのメイン後のマイクで雰囲気をぶち壊し、瞬間冷却させてしまった堀田の行為が、観戦していた私自身、本当に残念でならないのです…