レンブラントの変態漫遊記

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プロレスが大好きな変態の日記です

REMINDER~6.18全日本プロレス後楽園ホール大会観戦記~

6.18に、全日本プロレス後楽園ホール大会を観戦してきました。

 
6.15より開幕した「ダイナマイトシリーズ」。
 
このシリーズ期間中、三冠ヘビー級王座、世界タッグ王座(どちらも6.30後楽園)、アジアタッグ王座(6.18後楽園)の防衛戦が行われ、本来なら今大会で、世界Jrヘビー級王座戦青木篤志vs佐藤光留」も行われる、予定でした…。
 
しかし、タイトルマッチを控えた約2週間前の6.3、王者である青木が、バイク事故により、(佐藤光留の言葉を借りるなら)「突然遠くへ行ってしまいました」
 
 
突然の出来事に、全日や、かつて所属していたNOAHの関係者やファンだけでなく、団体の垣根を越え、関係者やファンからも多くの声が寄せられました。
 
 
それから約2週間後の6.15、デビュー以来怪我などによる欠場の無かった青木が、初めて"欠場"した状態で、シリーズ開幕を迎えます…。
 
 
今回は、色々な感情が交錯したであろう、今大会の観戦記を綴っていきたいと思います。
 
青木篤志選手、本当にありがとうございました!
 

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■不思議とそこに「青木篤志がいた」大会

 
この日の大会全体を振り返ってみて、個人的に感じたのは、試合の随所に「青木篤志がいた」という事でした。
 
 

若手を通じて知る「コーチ・青木篤志

 
オープニングマッチの「田村男児&丸山敦vs青柳亮生&大森北斗」では、青木がコーチとして指導していた若手3選手が躍動しました。
 
思えば、今年1月にデビューした青柳と田村は、青木篤志が若手選手のデビュー戦を務めた最後の選手で。
大森北斗も、7月から開幕するJrタッグリーグ戦に、青木の代役としてエントリーされる事が発表済。
 
打点の高いドロップキックや、重いエルボーなど、一つひとつの技を見て、「これ、青木が教えてたんだろうなあ」とか思ったりしましたね…。
 

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この試合、唯一のベテランである丸山も、田村が大森に逆エビ固めを極めた場面で、場外から田村に「絞れ!絞れ!」と指示する場面も。
ここにはどこかグッと来るものが…。
 
 

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試合は大森北斗が田村から逆転勝利!
 

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若手のコーチ役も務めていた、青木篤志という存在を突然失った今、若手3選手の今後の活躍と飛躍を祈らずにはいられなかった、そんな試合でした。
 

盟友・鼓太郎の背中で知る「体格差に負けない勇敢さ」

第3試合で行われた「鈴木鼓太郎&野村直矢&崔領二vsギアニー・ヴァレッタ&ゼウス&ディラン・ジェイムス」。
 
この試合、4月の「チャンピオンカーニバルにエントリーされたヘビー級の選手が集う中、唯一Jrヘビー級の選手として入った鈴木鼓太郎の姿が印象的でした。
 

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試合中、鼓太郎がディラン・ジェイムスと向かい合う場面があったんですけど、私自身、この構図を見て、今年のチャンピオンカーニバル公式戦で行われた「青木vsディラン・ジェイムス」(4.25後楽園)を思い出しました。
 
 
 

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大柄な相手に対しても、小さな体格で戦況を切り拓こうとする鼓太郎の姿は、今年のチャンピオンカーニバルで活躍した青木の姿と重ねずにはいられなかったです。
 
鬼気迫るものを感じました…。
 

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アジアタッグ王座戦に重ねる「逆境に負けない強さ」

セミファイナルでは、「岩本煌史&ジェイク・リーvs菊田一美&河上隆一」によるアジアタッグ王座戦が行われました。
 

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今回は、5月の大日本プロレス横浜文体でアジアタッグ王座を流出させてしまった岩本&ジェイク…。
約1ヶ月半後に行われたホームの全日後楽園で、アジアタッグ王座奪還に臨む構図となりました。
 

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ホームとはいえ、試合前から外敵である河上と菊田に大きな声援が飛んでいた後楽園ホール。
 

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試合は、菊田&河上の「飛艶」が、時折ラフファイトを織り交ぜながら、挑戦者チームを圧倒していく内容に。
 

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5月のタイトルマッチの時に比べ、相手の嫌がる事を、嫌なタイミングで、かつ的確に遂行してくる連携面は、見ていて惚れ惚れするものがありました…。
 
 

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中々反撃の糸口を掴めない挑戦者チーム…。
 

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ジェイクと菊田の1vs1となった最終盤、掌底でジェイクを押し込む菊田!
 

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しかし、岩本がジェイクのピンチを救うように、「孤高の芸術」でカット!

 

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最後は岩本のアシストを活かし、ジェイクがバックドロップ一発で菊田から勝利!
 

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逆転勝利で、見事アジアタッグ王座奪還に成功したのでした。
 

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思えば、約3年前の2016年7月に行われた大日本プロレス両国国技館会で、前年(2015年)の秋から「ヤンキー二丁拳銃(木高イサミ&宮本裕向」の下に流出していたアジアタッグ王座を、アウェーの地で佐藤光留と共に奪還したのが青木篤志でした。
 
今回アジアタッグ奪還を果たした岩本も、つい先日まで、青木と世界Jrヘビー巡って争ってきたライバル関係にあった一人。
防衛戦の相手が大日勢だったことも、何かの巡り合わせを感じずにはいられませんでした。
 

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青木が佐藤らと守り続けてきたアジアタッグ王座をかけて、この4選手が素晴らしい試合を見せた事は本当に感動的でした…。
最高!
 

 ■「青木篤志の不在を感じた」メインイベント以降

 
セミファイナルまでの6試合は、青木篤志の存在を、どこか近くに感じられる内容でした。
 
 
一方で、メインイベント~追悼セレモニーは、青木篤志の不在や喪失を強く感じさせる内容に…。
 
彼の不在を最後まで信じたくなかったけど、受け入れざるを得ない悲しみは、やっぱり辛かったです…。
  

佐藤光留vs岡田佑介」~そこから何かが変わっていくだろう~

 
今大会のメインイベントを飾ったのは「佐藤光留vs岡田佑介の特別試合でした。
 

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本来ならば、「青木vs佐藤」の世界Jrヘビー級王座をかけた一戦が行われるはずだったこの日…。
青木に代わり、佐藤の対角線に立つことになったのは、Evolutionの若手選手・岡田佑介
 

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岡田のセコンドには諏訪魔佐藤光留のセコンドには石川修司ニュートラルコーナーにはスーパー・タイガーと、Evolutionの面々がリングの周囲に集い、試合を裁く和田京平レフェリーの服装は上下青色と、事実上の「青木篤志追悼試合」とも言える雰囲気に。
 

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試合は、岡田が終盤にコーナー上での攻防で意地を見せる場面などもありましたが、終始佐藤が岡田を押していく展開になりました。
 

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この試合に関して言うと、個人的には「佐藤と岡田、どちらにも勝ってほしい」と思って見ていた所があります。
今思うと、二人は試合の勝ち負けという部分だけでなく、メインに流れる独特の雰囲気とか、プレッシャーとか、そういうものとも戦っていたような気がします(私個人の感想ですが…)。
 

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二人が今出来ることを全力で見せた試合は、佐藤が腕ひしぎ十字固めで勝利!
 

 

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実力差を感じた試合、と言ってしまうのは容易いですが、岡田もデビューしてまだ約2年半。
 
佐藤が試合後のバックステージコメントで「(佐藤vs岡田のメインは)青木さんから貰ったと思ってるから。」と語り、岡田に対して次は俺たちの実力で上がって行こうという旨を述べていたのですけど、この二人の試合が、そう遠くない未来に、全日Jrの看板カードになってほしいなあ、と強く願わずにはいられなかったです。
 
そうなった時に、この試合の意味や深さが増すのではないかと、私は思いました。
 

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全日Jrの誓い~そこにある何かが伝えていくだろう~

 
試合後、佐藤は溢れる感情を抑えきれない状態でマイク…
 

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「青木さん!」と泣きながら叫ぶ佐藤の姿を見て、「青木篤志は本当に遠くへ行ってしまったんだ…」と張り裂けそうな気持ちになりました…。
 
 
試合後、佐藤が、防衛期限いっぱいの11月20日までベルトを持つことが決まった青木について触れ、「譲り受けてから、ベルトを輝かせ続けます」と誓った事も感動的でした。
 
 
青木の"返上"以降は、横一線の形で次期王者が決められるとは思いますが、個人的に、その決定戦のテッペンには、青木とライバルでもあった、佐藤光留岩本煌史の二人がいてほしいなあ、と願わずにはいられません。
 
 
メイン直後に行われた追悼セレモニーでは、10カウントゴング中に観客席から漏れ出た、すすり泣く声だったり、青木の名を叫ぶ声だったりで、余計に来るものがありました。
つらい、本当に悲しい…。
 

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■まとめ

 今大会の約1ヶ月前に決定した、「青木篤志vs佐藤光留の世界Jrヘビー戦。
 
これを見るため、私自身この日の仕事を休みにして、大会を楽しみにしていたのですけど、その直前で、青木篤志というレスラーの試合も、「変態自衛隊としての活躍も、もう二度と生で見る事は叶わなくなってしまいました…。
 

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でも、(陳腐な言い方になりますが)青木篤志が残したものは、間違いなく選手やファンの中に生き続けていくのではないかと、私は思うのです。
 
現に、平日夜の興行にもかかわらず、多くのお客さんが集まりましたし、後楽園ホール展示場に設置された献花台に供えられた多くの花や、追悼セレモニーでは多くの人が流した涙が、それを表していた気がするのです…。
 

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8.11後楽園で「青木篤志追悼大会」の開催が発表されましたが、今大会は、青木篤志を「思い出させる」大会だったと言えるのではないでしょうか?
 

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これからも言える事はただ一つ…。
 
私は全日本プロレスが好きだし、全日Jrの今後の活躍が楽しみです!
 
 
※今回の記事タイトルを考えた中で、思い浮かんだ曲です…。
 
 

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