2019.11.24に、新木場1stRINGで行われたプロレスリング・ノアの興行を観戦してきました。
この日は、NOAHのJrヘビー級ユニット「RATEL'S」によるプロデュース興行第2弾!
記念すべき第1回大会では、
黒潮イケメン二郎の参戦に加え、「
原田大輔vs杉浦貴」という、当時の「
GHCヘビー王者vsGHCJrヘビー王者」
による
シングルマッチなど、豪華カードが組まれたのですが、
今回のプロデュース興行では、あるコンセプトが打ち出されました。
それは、「スティンガー」との対抗戦!
第1回とは打って変わり、他団体からのゲスト参戦等は一切無し!
2019年1月(「スティンガー」結成前も含めると2018年秋頃)より、NOAHのJr戦線で繰り広げられている、「RATEL'S vs スティンガー」のユニット抗争に特化した興行に!
(今年DDTでやっていた、『ALL OUT vsセンダイガールズ』の対抗戦に近いかもしれません)
今回は、そんな第2回RATEL'Sプロデュース興行の観戦記になります。
ほぼ1年中抗争して、因縁を築いてきたからこそ生まれた熱量と、リマッチの面白さをパッケージした大会(+ファンサービス)は、まさに神興行クラスの内容でした!
2019年の『RATEL'Svsスティンガー』をパッケージした、NOAHJr最新アルバム
・クリス・リッジウェイ、小峠篤司のスティンガー加入
という出来事を経て、8月以降は4vs4の8人タッグマッチで対戦する機会も増えていきました。
そんな、両ユニットの絶賛抗争中に行われた、今回のRATEL'Sプロデュース興行では…、
①試合前にメンバー4人が綱を引いて、対戦相手を決める「綱引きマッチ」×4試合
②4vs4の「時間無制限イリミネーションマッチ」形式によるメインイベント
というように、『RATEL'Svsスティンガー』の抗争を丸ごとパッケージした内容に!
試合前に行った綱引きの結果、「綱引きマッチ」は以下のような組み合わせに…。
"鉄板"と"新鮮"を一度に堪能した「綱引きマッチ」
"鉄板"の因縁を味わう前半戦
「綱引きマッチ」の1本目は、
「小川良成vsYO-HEY」からスタート。
一時期はスティンガーで行動を共にしていた両者の一戦でしたが、一言で表すなら「小川の完封勝利」…。
序盤こそ、いつものようにポーズを決める余裕も見られたYO-HEYでしたが、その後の場外乱闘から、小川の徹底した左脚攻めがスタート!
そこから後は、小川がYO-HEYから如何にしてギブアップを奪うか、という状況でした。
結果、猛烈な小川の攻めに意地でもギブアップしなかったYO-
HEYに、
セコンドの
HAYATAがTシャツを投入する形で決着…。
2018年秋にGHCJrヘビー王座や「RATEL'S解散」をかけるなど、両ユニットの抗争以前から因縁を築いていった両者が、綱引きマッチで激突!
約9分間ながら、切れ目なく続いていった攻防は、今回の「綱引きマッチ」の中でも随一だったかと。
(何となくではありますが)2人は手が合うんだろうなあ、というのが、見ていて伝わってくる程でした。
"新鮮さ"から生まれる因縁を噛みしめた後半戦
「綱引きマッチ」の後半2試合は、対抗戦の中でも新鮮さを感じたカードに。
まず、3本目の
「クリス・リッジウェイvsタダスケ」は、
個人的に、
今まであまりやり合っていた印象が薄い両者による一戦でした(
とはいえ、今年10月のイベントプロレスで一度実現済)。
とはいえ、パワーの
タダスケに、
テクニカルなリッジウェイという、
一見対照的なタイプにも見える2人が、試合では思いの外噛み合っていた所が一番記憶に残りました。
タダスケも、リッジウェイの極め技を、
身体を上下に動かしながら抜け出した所が巧かった!
アンクルホールドや鋭い蹴りを得意としている選手ですけど、
タダスケを綺麗なブリッジで投げきっていた所は流石でした!
そして、4本目の
「小峠篤司vsHAYATA」は、
「綱引きマッチ」のラストを飾るに相応しい激闘に!
2017年に
HAYATAがNOAH参戦・入団した当時、
小峠は既にヘビー級に戦いの場を移していた為、
恐らくNOAHでは初のシングルではなかったかと(
記憶違いならすいません…)。
その前週(11.16)にIPWJrヘビー王座から陥落したばかりの小峠でしたが、この日は現GHCJrヘビー王者のHAYATAに対し、主導権を握る場面も多く見られました。
特に終盤の5分間は、どちらが勝つか分からないシーソーゲームになりましたが、最後まで互いに一歩も譲らぬまま、20分時間切れドロー。
これにより、「綱引きマッチ」はRATEL'Sの1勝2敗1分という結果に。
小峠、今後の展開次第では、HAYATAとベルトをかけてやり合う展開が見られるかもしれません。
そう感じた一戦でした。
会場が熱狂の坩堝と化した「4vs4イリミネーションマッチ」
休憩+
セミファイナルを挟み、迎えたメインイベント。
両ユニットの8人タッグマッチは、小峠が加入した8月以降、
何度も組まれてきましたが、
今回は「最後の1人になったユニットが勝利」、「オーバー・ザ・トップロープ(以下:OTR)でも退場」という特殊ルールでの一戦に。
スティンガーが奇襲を仕掛けてスタートした試合は、「
綱引きマッチ」で左脚にダメージを負った
YO-HEYが、
スティンガーとのローンバトルを強いられる、
苦しい立ち上がりに…。
そんな劣勢に立たされた
YO-HEYですが、
左脚を攻める小川に生まれた僅かな"隙"を突いて丸め込むと、
これが見事な3カウントに!
この判定に納得のいかない小川がレフェリーに詰め寄ると、会場からは小川に大ブーイング。
「綱引きマッチ」の時といい、観客のヒートを買うような(良い意味で)嫌らしい小川の攻めが、対抗戦を盛り上げるスパイスになっていた事を感じさせたシーンでした。
うーん、小川、凄い!
しかし、ここから小峠の逆襲が始まります。
数的不利の状況で、
タッグ王者チームである原田と
タダスケの連携網に捕らえられた小
峠でしたが、間一髪で2人の合体技を交わすと、
ここで
誤爆を誘発!
流れがスティンガーに傾くと、この勢いのまま、小峠が
タダスケをOTRで退場させることに成功。
遂に試合は、小峠と原田の一騎打ちに!
「綱引きマッチ」に加え、メインでも既に20分近く闘っていた両者。
タイトルマッチの終盤さながら、原田が片山ジャーマン、小峠が
キルスイッチと、必殺技を狙いにかかるも、互いにこれをかわします。
先に均衡を破ったのは原田!
すると、この1週間前(11/16)のタイトル戦で、小峠に決めた雪崩式片山ジャーマンを再び狙いに行きますが、小峠がトラースキックで反撃!
原田の動きが止まると、最後はランニングニーアタック⇒
キルスイッチ連発で小峠が逆転勝利!
「綱引きマッチ」に続き、メインもスティンガーが勝利という結果に…。
試合後、小峠はマイクでRATEL'Sの面々にこう突きつけたのです。
今年8月にJr再転向&スティンガー加入を果たした当初は、ユニット抗争の中でどうしても1人浮いていた感のあった小峠。
しかし、9月に行われた大阪大会での「vs原田」戦以降、確実に小峠は良くなりました!
原田との力の差を見せつけられた8月の後楽園とは違い、今回の対抗戦では、試合内容でも、ケンカでも、小峠は間違いなく強くなってましたから!
まとめ〜リマッチによる"深化"を感じさせてくれた対抗戦〜
第2回RATEL'Sプロデュース興行は、綱引きマッチで負け越し、メインイベントでも敗戦を喫するなど、スティンガーに完敗という結果に…。
とはいえ、大会そのものは大熱狂のまま閉幕!
試合後のRATEL'Sサイン会&撮影会も、行列が新木場の隣の建物まで続くという盛況っぷりでした。
個人的に、今回の興行に限らず、「RATEL'Svsスティンガー」の抗争で感じた事があります。
それは、同じ対戦カードであっても、対抗戦形式で何度も何度も組んでいくことによって、互いの攻守の切り替えにバリエーションが生まれ、"深化"を遂げていくこともあるのだという所。
ほぼ1年、継続してやってきたからこそ生み出せた賜物だと思います。
(最初の頃は、NOAH新体制の掲げた鎖国政策もあって、同じメンバーで毎回やる事に不安を抱いてしまってすいません…。)
しかし、2020年は、RATEL'Sとスティンガーが主体で動きつつあるNOAHJr戦線に、杉浦軍や、Special 3(田中稔、Hi69、諸橋晴也)、熊野準、宮脇純太といった選手・ユニットも喰いこんでほしい所…。
その方がもっともっと面白くなるはず!
(完)