2.24の夜、名古屋国際会議場で行われた、プロレスリング・ノアのビッグマッチ「NOAH the CHRONICLE Vol.1」を観戦してきました。
2020年は、NOAHにとって記念すべき旗揚げ20周年!
そんな節目の1年は、年始の"裏東京ドーム"2daysで幕を開け、上半期だけで「NOAH the CHRONICLE」と銘打ったビッグマッチを計3大会も予定する、怒涛の攻めっぷり!
今回は、20周年記念ビッグマッチ第1弾となった、名古屋大会の観戦記になります。
推しがビッグマッチで勝ったから、日本で一番、名古屋が好きです!(小並感)
未来と歴史が交錯した「年代記」の第1章
今回の名古屋ビッグマッチは、メインの「杉浦貴vs
清宮海斗」
による
GHCナショナル
王座戦を含む、全9試合という構成に。
後述するメインイベントを除くと、個人的には、第4試合の
「中嶋勝彦vs稲村愛輝」のシングルマッチ、第6試合の
「齋藤彰俊デビュー30周年記念試合」の2試合が、特に印象に残り
ました。
まず、
「中嶋vs稲村」では、現WRESTLE-1シングル王者である中嶋勝彦という強敵相手に、デビュー約1年半の稲村が必死に抵抗していくなど、彼の持つ可能性の大きさを感じさせる試合内容に。
特に、中嶋の定番ムーブでもある「相手を踏みつけて四方にシャッターチャンス」の際には、2コーナー目で自ら前に出て顔面キックを受け、中嶋をムキにさせる事でこれを阻止した姿は流石の一言!
普段なら、4コーナーをキッチリ周る余裕が中嶋にはありましたから。
それをさせなかった所に、稲村の強烈な意地を見た気がします!
2019年は、3月の横浜文体で
マイバッハ谷口(
谷口周平)、同年5月の後楽園で
火野裕士、9月には大阪ビッグマッチで
藤田和之と、それぞれシングルが組まれた稲村でしたが、パワーファイターの3人と異なり、今回鋭い打撃技を得意としている中嶋と、約8分ながらガッツリやれたのは、今後に向けて期待大かと!
将来が楽しみ!!
第6試合の
齋藤彰俊30周年記念試合(
井上雅央&
齋藤彰俊&
越中詩郎&
青柳政司vs仁王&覇王&マサ北宮&拳王)では、
「金剛」の4選手による、観客からのブーイングを引き出す立ち回り方が光りつつも、最上級フィニッシャーのデスブランド一発で試合を決めてくる、齋藤彰俊の説得力の高さが光る内容に!
試合後のマイクでは「まだまだ落ち着かない」
との熱い宣言も飛び出していましたから、「
反選手会同盟」
の頭領として、今年もどんどん暴れていってほしいです!
「ビッグマッチで前哨戦を見せる」という"挑戦"
一方で、試合全体を通じて見てしまうと、どこかビッグマッチらしさに欠けていた大会ではあったかなあ、と…。
実際、今大会の約2週間後(3.8)
に、
横浜文化体育館でのビッグマッチ第2弾を控えていた事もあって
か、
・第7試合
⇒
「RATEL'S vs STINGER」の6人タッグ戦の試合後に、文体でのJrヘビー&Jrタッグ王座戦が決定。
・タイトルマッチ
⇒メインイベントの「杉浦vs清宮」の1試合のみ。
と、文体ビッグマッチに重きが置かれるようなカード編成だったなあ、というのが個人的な感想…。
個人的に、
「ビッグマッチ前最後の後楽園ホール大会」のような前哨戦を、ビッグマッチで組んできた事については、
「ビッグマッチの中で前哨戦を見せる事も出来るようになった」と肯定的に捉えるか、「正直カード的に物足りない」と否定的に捉えるかで、大分印象が変わってくるような気がしました。
私はどちらかと言えば後者よりですが、前者のチャレンジングな姿勢は肯定していきたいなあ、と。
ビッグマッチが直近で続いたからこそ、なのかも知れませんが、去年までであれば、まず出来なかった試みだと思いますから。
「嫌な景色」を払拭してみせた、象徴と未来の邂逅~杉浦貴vs清宮海斗~
20周年記念大会1発目となった、名古屋ビッグマッチのメインイベントは、「杉浦貴vs清宮海斗」によるGHCナショナル王座戦!
2018年11月の『GLOBAL LEAGUE』公式戦、
同年12月に杉浦が王者として迎え撃った
GHCヘビー
王座戦、
2019年6月に挑戦者に立場を変えて臨んだ
GHCヘビー
王座戦…
。
直近の
シングルマッチで、清宮に3連敗を喫している現王者の杉浦としては、地元・
名古屋のタイトル戦という点も含め、俄然負けられない一戦でした。
カード決定時、「新しい景色に吸収する」と宣言した若き清宮に対し、旗揚げ当初よりNOAHに在籍し、「良い景色も、悪い景色も、見たくもない景色も見てきた」と発言した杉浦。
NOAH20周年を迎えた今だからこそ、
新たな色合いが芽吹いた世代対決でしたが、
GHCヘビーから
GHCナショナルに舞台を移しても、
その熱量は不変!
昨年の三沢メモリアル(6.9後楽園)で組まれた
王座戦では、
30分以上にわたって互いの体力・総力を削り合う死闘でしたが、今回は、そこに清宮の巧さも合わさった事で、以前とはまた違った面白さに満ちていた印象を受けました。
中でも、私自身印象に残ったシーンの一つが、試合終盤における両者の攻防でした。
杉浦がフロントネックロックを極めに行くのですが、それを清宮が華麗に切り返すと、すぐさま杉浦に変型チキンウイングフェイスロック!
杉浦のフロントネックロックを素早く切り返す選手って、私自身あまり見た事がなかっただけに、会場で思わず唸ってしまいました(笑)
若いながらも、そういう事が出来る清宮に恐ろしさを感じましたね…。
試合は中盤に入り、両者のエルボー合戦、張り手合戦がスタート!
杉浦も清宮も、
相手のフィニッシャーをカウント2で返した事で、
どちらに流れが行くか分からない、拮抗した内容でしたが、その均衡を破ったのは、杉浦貴でした…!
一度はカウント2で返されたオリンピック予選スラムを清宮に決めると、すかさず清宮をトップコーナーに引きずり込んでからの、雪崩式オリンピック予選スラム!!
流石の清宮も、これは返せず、勝負あり!
この瞬間、もう、「よし!!!よし!!!!!」って思わず叫んでしまいましたね…。
清宮とのシングルで3連敗を喫していた杉浦が、ついに勝利!!
シングル3連敗の全試合を生で観戦して、良い試合だったけれど、どこかで悔しさを感じながら会場を後にしていた私としては、この1勝が、尚の事沁みましたね…。
私にとっての悔しい思い出も、景色も、確実に変えてくれた瞬間でした。
本当に、名古屋まで遠征して良かった!
まとめ
NOAH20周年記念大会「NOAH the CHRONICLE」の第1弾となった今大会。
ビッグマッチにしては、若干のカードの弱さが気になったとはいえ、大会後の多幸感は申し分なし!
若手の台頭にベテランの歴史や意地が組み合わさる様は、まさに「CHRONICLE(=年代記)」というタイトルに違わぬ内容だったかと。
特にメインなんて、これまでの「若手vsベテラン」に見る世代闘争からグレードを上げてくる好勝負でしたから!
会場も、清宮と杉浦で歓声真っ二つでしたから!
辛い時期ではありますが、こんな時だからこそ、この日の試合後に杉浦がマイクで話していた事を思い出してしまうのです…。
杉浦がメインを締める時、必ずと言っていいほど、「またみんなと会いたい」、「どこかの会場で会いましょう」という言葉が出てくるんですけど、まさにそう!
どこかでまた、NOAHの会場に行けるときが必ず来ると信じて、待ちます!!