レンブラントの変態漫遊記

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プロレスが大好きな変態の日記です

消えない~2020.12.27『2020 Jr. TAG BATTLE OF GLORY 1day tournament』観戦記~

2020.12.27の夜に、新木場1stRINGにて行われたJr. TAG BATTLE OF GLORY 1day Tournament』(以下:バトグロ)を観戦してきました。

 
2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、全日本プロレス(以下:全日)で主催されているJrリーグ(「Jr. BATTLE OF GLORY」)&Jrタッグリーグ(「Jr. TAG BATTLE OF GLORY」)が開催されず…。
 
そうした中、2020.11.5に佐藤光留パンクラスMISSION)が緊急記者会見を開きました。
内容は、同年12.27に、新木場1stRINGで『ハードヒット(昼)』と『Jr. TAG BATTLE OF GLORY(夜)』の昼夜興行開催発表…!
 
(6:43~)
 
「一つ、自分の中で…、納得がいかないというのではないですが。黙っていれば誰に何も言われないことだと思うんですけれど。自分が主戦場としてるJrリーグが2つとも行われませんでした。
 
 (中略)
 
「多分このまま2021年を迎えても、誰も文句は言わない。来年開催出来たら、『良かった良かった。去年は仕方ないよ。』ということで片付いたと思うんですが、何かこう、仕方ないで終わらす事に非常に違和感というか。自分が守ってきて、『俺が全日本Jrの先頭なんだ。佐藤光留青木篤志で守り抜いてきたんだ』と言っている全日本Jrを、このまま、仕方ないで、2020年終わらせていいものかどうか。それをずっと考えていました。」
 
(中略)
 
「やらないんだったら、自分で開催できないか、という事をまず思いつきました。」

 

あくまで、『Jr. TAG BATTLE OF GLORY』開催にこだわった佐藤は、全日側に話を打診。
 
全日は既に2020年の年間最終スケジュール(12.13)を発表した後だったため、全日マットでの開催とはならなかったものの、佐藤主催興行での『Jr. TAG BATTLE OF GLORY』 開催の許可が下りる形に。
更に、同大会を全日本プロレスが共催する事になり、今大会の開催が決定したのでした!
 
 
今回は、そんな2020年の終わりに開催された、全日Jrによる、全日Jrの物語の感想を綴ってみました。
 
 

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ここは桃源郷
またはティルナノーグ
永遠にたゆたう天上天下
だけど行けない
行っちゃいけない
引き止めるような何かが消えない

沈むタイタン号
燃える人形町
声を荒げる水金地下木
なのに消えない
消えそうで消えない
こんな所で消えない
消さない

赤い公園 - 「消えない」

 

 
 
 

・大会雑感~『あすなろ杯FINAL』だったトーナメント戦

今回は全8チーム参加の1dayトーナメント形式で開催され、決勝を除き「2カウントルール・10分1本勝負」、「10分引き分けの場合、2選手の合計体重が少ない方が勝利。」という変則ルールでの開催に。
 
 
参戦チーム・選手は公募で決定。
その結果、現在全日Jr戦線を担う選手に加え、過去に全日Jrに関わりのある選手、全日本Jrの舞台で1から居場所を築こうとする選手などが集いました。
 
各試合のレポートに関しては、公式サイトにガッツリ詳しく書かれておりますので、私の方は今回、大会全体の雑感中心に絞って振り返りたいと思います。
 
 
大会全体を通じて、まず私が感じた事…。
 
「実はこれ、『第5回あすなろ杯争奪リーグ戦』の最終章だったのではないか?」と。
 
 
2020年に、約20年振りに開催された『あすなろ杯争奪リーグ戦』
 
所属の大森北斗、田村男児、青柳亮生、愛媛プロレスライジンHAYATOの4選手による総当たりリーグ戦は、最終戦で、田村男児が大森北斗との全勝対決を制し、見事優勝!
 
 

リーグ終了後、北斗は『Enfants Terribles』、田村男児は『Evolution』にそれぞれ加入。

亮生とHAYATOは本隊で活動することになり、4人が別々の道を歩む事になったのでした…。
 

■1回戦・準決勝

『あすなろ杯争奪リーグ戦』から約半年後の2020年12月…。
 
北斗は児玉裕輔、田村男児佐藤光留亮生とHAYATOはタッグを組む形で、トーナメントにそれぞれエントリーされた訳ですが、まあ、4選手の成長が速いこと速いこと!
 
トーナメント戦を通じて、自然とこの4選手にフォーカスしながら見てしまいましたね…。
 
田村男児は、1回戦・準決勝と、佐藤のサポートに徹する事が多かった印象でしたが、(後述する)決勝戦では見事に爆発!
 

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北斗は、1回戦の「vsイザナギ&竹田誠志」戦で、イザナギから直接勝利。
 

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準決勝の「佐藤&田村」戦でも、児玉と共に、佐藤の痛めた足を狙う徹底ぶり!
最後は児玉が佐藤に敗れ、準決勝敗退に終わるも、若手ながら、ふてぶてしさ全開な北斗、堪らない!
 

 

 

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そして、亮生とHAYATOは、「ブラックめんそーれ&SUSHI」を1回戦で撃破。
低迷期の全日を支えた選手に、ニューフェイスが自力勝利する構図、大会主旨的にもエモい!
 

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準決勝では、トーナメントの優勝候補筆頭・「岩本煌史&阿部史典」と対戦!
 

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「岩本&阿部」の厳しい攻めに苦戦を強いられたものの、3カウントは許さなかった「亮生&HAYATO」!
 
試合は10分時間切れドローも、タッグの合計体重が軽い「亮生&HAYATO」組が、大会規定により決勝戦進出。
優勝候補相手に大健闘を見せたのでした!
 

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・決勝戦

過酷な1dayトーナメントの決勝戦に駒を進めたのは、「青柳亮生&ライジンHAYATO」と「佐藤光留&田村男児」の2チーム。
 

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佐藤を除く3選手が、第5回『あすなろ杯』出場と、全日マットにおける若手の台頭を象徴するような一戦に。
 
戦前は、「ここで佐藤&田村が絶対勝たないと…!」という気持ちで見ておりましたが、試合が進むにつれて、「うわあ、亮生&HAYATO、強い…」という率直な感想が、私の脳内から湧き出てくるようになりました。
 
それくらい、2人が凄かった!
 
ライバル同士故か、1回戦の勝ち名乗りで双方睨みあうなど、連携面で不安要素を抱えていたチームでしたが、それでも決勝は、息の合った連係で「佐藤&田村」を追い詰める活躍!
 
特に、昼の『ハードヒット』で脚を痛めた(と思われる)佐藤に対する、序盤~中盤の容赦ない脚攻めは見事でした!
 

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佐藤光留も、脚を痛めながらも、若手に負けじと容赦ないファイト!
 

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「全っ然、痛くありませんっ!!!!!」
 

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そして、この決勝戦は、とにかく田村男児の活躍に尽きる!
 

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1回戦・準決勝はサポート役に徹した男の大爆発!!
まるで、活火山の如し!!
 
終盤は、田村とHAYATOによる一騎打ちに。
パートナーの佐藤も「ダン!ダン!」と叫び、田村に勝負を託します。
 

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HAYATOの勢いに押される場面もあった田村でしたが、負けじとラリアットで応戦!
まるで、佐藤の意気に応えるかのようでした…(泣)。
 

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最後は、田村がパワーボムHAYATOから見事な3カウント!
「佐藤&田村」が、『2020 Jr. TAG BATTLE OF GLORY 1day tournament』優勝を果たしたのでした!
 

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試合時間は30分超え!
それでも、約30分があっという間に感じられるほどに、息をのむ激闘!
双方素晴らしい!
 

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試合後、優勝トロフィーを受け取った2人が咆哮!!!
 

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2020年にキャリア20年目を迎えながら、勝利した瞬間、あれだけ感情を爆発させた佐藤光留の姿を見ていて、本当に、今回のトーナメントに期するものがあったんだなあ、と感じました。
 
試合後、佐藤はこのマイク!
 

 

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このマイクにはシビレた!
 
そして、佐藤から「こいつはとんでもないパーティー野郎なんだよ!」とマイクを託された田村は、この笑顔!
可愛いですね…。
 

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このタッグチーム、今後面白くなりそう。
アジアタッグ王座挑戦とか、あったりしないかなあ〜(願望)。
 

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・まとめ〜こんな所で消えない、消さない〜

 2020年の終わりに開催された、今回の『2020 Jr. TAG BATTLE OF GLORY 1day tournament』。
 

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前述したように、今回のトーナメントは、『あすなろ杯』に出場していた若手4選手の成長を、客席からもビシビシ感じ取れるような、素晴らしい大会でした。
 
そして、何より、全日本プロレス所属ではない立場であっても、下手したら所属以上に、全日本プロレスJrを叫び続けた佐藤光留の思いなくして、今大会は実現し得なかった訳でして。
 

「まだまだ俺たちの心で生き続ける青木篤志のこと、一生プロレスを通じて追いかけていきます。」

 
2019年末のハードヒットで、メイン後に佐藤光留が語ったコメント。
 
 

 

2020年は、正月の世界Jrヘビー王座決定トーナメント、TVマッチ期間中の世界Jr挑戦など、全日本プロレスJrの灯が消えそうになっても、その灯を決して消さなかった男の有言実行…。

 
ホント、カッコ良すぎるよ!!
 

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