レンブラントの変態漫遊記

レンブラントの変態漫遊記

プロレスが大好きな変態の日記です

数字にまつわるエトセトラ

2021.2.20に、Number Webにて、このような記事が掲載されました。

 

number.bunshun.jp

 
先日のプロレスリング・ノア日本武道館大会で、潮崎豪からGHCヘビー級王座を奪取し、更にはノア入団も発表となった、武藤敬司の特集記事。
記事を執筆したのは、プロレス・格闘技取材に関わっている、フリーライター橋本宗洋氏。
 
私自身、この記事を訳あってスルーしていたのですが(後述)、翌21日のジャン斉藤氏によるツイートをキッカケに、ようやく記事を拝読…。
 

 

 

Numberの記事自体は、私自身、読まずにいた事を後悔した程、会場の空気感だったり、武藤敬司の凄みだったりに触れる、大変素晴らしい記事でした。
 
そう、3ページ目までは…。
 
記事を締めくくる4ページ目に入った途端、一転して、筆者が武藤敬司の発言を批判する内容にシフトチェンジしていきます。
 

だからこそ、会見翌日のスポーツ紙上での(旧知の)森喜朗氏に関する発言は残念だった。〈「ごめんなさい」しても許さない世論ってなんかなあ……って思うよ〉、〈謝り方はともかくとして、謝ったら許す世の中であろうぜ〉、〈俺が入団したってことで森さんにも来てもらおうか〉、〈(所属ユニットの)最高顧問になってもらいてえな〉。

 森氏は差別発言が表沙汰になり、それについての謝罪会見の場でも不貞腐れたような態度を取った。ちゃんと謝っていないから批判され続け、オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長を辞任することになったのだ。ましてこれは男性社会による女性への差別の問題だ。男の側が許す、許さないをジャッジしていいものではない。

 
Numberの記事で示されている「スポーツ紙上での~」とは、2.16に東京スポーツが出した記事の事。
 
 
この辺りの感想は後述…。
 
 
その翌日(2.22)。
飛石連休に挟まれる格好で仕事に追われ、日中にTwitterを覗くことも出来なかった私は、終業後に開いたTwitterで、ただならぬ事が起きているのを察したのでした…。
 

 

これまで、DDTプロレスリングガンバレ☆プロレス東京女子プロレスなどの「DDTグループ」を中心に取材してきた橋本氏が、DDTグループやノアを傘下に収めるサイバーファイト(以下:CF)の現場取材を控える、という内容。

 

 

正直、ビックリしました。

まさに急転直下。

 

この件で、以前よりTwitterで橋本氏を度々批判していた私の名前が、フォロワー様から上がっていたそうでして…(申し訳ないです)。
 

 

 

 

 

直後に、個人的な感想は書いてみたものの、140字では正直足りない。
 

 

なので、今回は、この件について私が感じた事を、率直に綴っていこうと思います。

私怨や愚痴が多分に含まれますが…。

 
 

ノア公式の対応は悪手。だが、「言論弾圧」ではない

 
 
今回の件に関して言うと、東スポの元記事をツイートで紹介したノア公式の対応は、確かに不用意だったと私は感じています(東スポは言うに及ばず…)。
 
東スポ記事を擁護する訳でも無いですが、騒がれているデリケートな話題をネタにした記事を、わざわざノア公式がツイートする…。
公式で取り上げる事への拒否反応は、少なからず予想できたはず。
ノア公式の対応は、確かに悪手でした。
 
ただ、今回の「取材を控える」事になった流れに対して、「橋本氏への言論弾圧だ」と安易に捉えるのも、私は違うような気がしています。
 
前述のように、あのNumberの記事は、1〜3ページまでの流れから、4ページ目から"唐突に"、筆者の政治的主張が挿入されている訳です。
 
武藤批判への持って行き方があまりにも強引過ぎて、正直、言論云々以前のレベル。
 
最初から武藤の発言を批判する記事であれば、まだ違和感は無かったかと。
 
記事の最後に、「NOAHの広報担当に問い合わせたけど、明確な回答は得られなかった。」という旨も記されていましたが、あれなんて、ゴシップ誌で見かけそうな締め文句にも近い。
 
このNumberの記事に対して、CFの武田取締役が、橋本氏と話し合いを持とうと考えるのも、当然の流れかと。
 
だって、よくノアの取材に来るような報道関係者が、わざわざ広報担当者に連絡してくるなんて、考えたらよっぽどの事じゃありませんか?
 
そりゃそうなる、としか。
 
ただ、橋本氏のツイートだけですと、「取材禁止」なのか、「取材自粛」なのかは分からない。
 
本人曰く、「ツイートを読んでもらえると分かります」とは言うものの、このツイートだけでは、取材を「禁止」されたのか、「自粛」してるのかなんて判断しづらい。
 

 

個人的には、今回の件だけで1発OUT、というのは厳しく感じてしまうのが正直な所ではあります。
 
その一方で、Numberの記事が出た直後や、他の方からの「謝った方が良い」とのリプライに対する、橋本氏のツイートを見ていて、私はこうも感じました。
 
「遅かれ早かれ、こうなっていただろうな」、と。
 

 

 

 
それは、氏の政治的主張の有無にかかわらず…。
 
 

「フリーであって、フリーではない」〜曖昧かつ歪な立場〜

橋本氏はフリーランスのライターではありますが、DDTグループがサイバーエージェント傘下に加わる2017年以前より、同グループの取材を積極的に行っていました。
 
Number Webのような有名媒体にも記事を多く出稿しており、以前には、東京女子プロレス後楽園ホール大会の解説(サムライTVを務めるなど、数ある取材先の中で、最も関係性の深い立場にいた方なのは確か。
氏のDDTグループに対する貢献度は、間違いなく大きかった訳です。
 
印象的なのは、2018年頃に山本雅俊氏がTwitterで述べた「プロレスはアイドルの腰掛けじゃない」発言。
 
 
 
その際、橋本氏が山本氏の意見に反論した事がキッカケとなり、双方激しく揉める事に…。
 
最終的に、この騒動は両者和解という形で決着を迎える訳ですが、和解に至った背景として、ガンバレ☆プロレスの大家健代表や、高木三四郎社長といったDDTの関係者が、橋本氏と山本氏の間を取り持った事が、橋本氏のツイートで明かされています。
 

 

そして、橋本氏の政治的主張に対する反論の矛先が、DDTグループに向けられた際には、「エンターテイメント」、「キャラクター」という観点から、積極的にDDTを擁護するスタンスを取りました

 
 

 

 

 

 

こうなってくると、橋本氏は、「フリーライターという肩書きで言い表すことが難しい、曖昧かつ歪な立場にいたのではないか、と私には思えてならないのです。
  
好意的に見れば、「DDTグループ(CyberFight)の専属広報」、「グループの理解者であり、ファン」。
 
悪く言ってしまえば、「提灯持ち」、「御用ライター」。
 
色んな団体を取材するフリーランスの立場でありながら、良くも悪くも、本人の知ってか知らずか、橋本氏から「DDTグループ」の看板が見え隠れしているように感じる事が、私自身、何度かありました。
 
実際、橋本氏の立場から語られる政治的主張や意見には、DDTグループと、対世間で、致命的な矛盾を抱えていました。
 
宇崎ちゃんの献血ポスターや、森喜朗に対する武藤の発言はOUTなのに、DDTのバレンタインデーポスターや、クロちゃんの膝舐めはSAFE、みたいな。
 
今回のNumberの記事も然り。
NOAHに抗議するなら、何故、現地で取材しているDDTグループの、「女子レスラーへの膝舐め」には抗議しないのですか?
 
 
 試合中ダメージで倒れたクロちゃんは上福のヒザをなめることで蘇生。またクロちゃんが大仁田に爆破バットを叩きつける際に一緒にバットを持ってアシストも。クロちゃん曰く「初めての共同作業」だった。

 

 

「良い記事を書く≦資質を疑う行動」

 
私自身、橋本氏は「良い記事を書くライターさん」だと思っています。
その評価は、批判的なスタンスの今現在も変わりません。
 
これまで、橋本氏に対する批判も散々Twitterでしてきた人間なので、今回の件で、私が「橋本氏批判派の一角」で捉えられている事を実感しています(苦笑)。
 
ただ、先述の「腰掛けじゃない」騒動の際には、橋本氏の主張を全面的に支持していましたし、最初から橋本氏を批判していた訳ではありません。
 
今回の件で出てくる、政治的主張の是非だとか、出禁か否かの真相だとか、外野の私には到底分かるべくもありません。
ただ、そうした点を無視しても、「取材する側として資質を問われかねない行動」を、団体問わず、この2年足らずで見聞きしている端くれとしては、橋本氏に対して同情することが出来ないのです。
 
「腰掛けじゃない」騒動で和解に至った山本氏に再びケンカを売って、和解に繋げた関係者の面子を潰したり、
 

 

 

※私が「すいませんねぇ」と言われたのも、これに言及した時でした。

 

 

 

 
2019年9月に、アイスリボン横浜文化体育館大会を取材中(何なら大会真っ最中)にもかかわらず、木村響子氏とTwitterでヒートアップしたり、
 

 

 

 

 

 
同時期に格闘技興行を取材中、裏の格闘技興行の記事を執筆している様子が観客から指摘されたり
 

 

 

2020年に新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出され、各団体が無観客興行を続けている期間中、アイスリボンDDTの取材前に、渋谷警察署への大規模デモに参加したり…
 

 

 

 

政治的主張云々を抜きにしても、正直イカンでしょ、って話です。
 
 
私自身も、会場でそうした行動に出くわす機会がありました。
 
2019年12月30日、ニューピアーホールにてハードヒットを観戦した時のこと。
 
リングサイドから2列目ながら、前には誰も座っていない実質最前列という好ポジション!
にもかかわらず、取材中の橋本氏にガッツリ視界を遮られる悲劇が…。
 

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近藤有己藤原喜明が、鈴木みのるに足関節技をかけている最中、氏は微動だにせず…。
 

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それでいて、後日写真が出たような形跡もなし、という。
オフィシャルで良い写真が上がるならまだしも、ハードヒットにはオフィシャルカメラマンがいましたから。
 
こんなカメラマンに出くわしたのは、今の所DDT中継に入っていたABEMAのカメラマンと、橋本氏だけでしたから、今でもハッキリ覚えてます(笑)。
 
 
でも、私がこれよりも酷いと感じたのが、2019年8月に行われた、アイスリボン上野恩賜公園野外ステージ大会の記事。
 
夏休みの4日間で開催された計10興行について、橋本氏も記事として取り上げているのですが、冒頭ではこのように記されています。
 
 

この8月から9月にかけて、女子プロレス団体アイスリボンが勝負に出ている。まずは8月14日から17日にかけ、上野恩賜公園野外ステージで夏祭り興行を開催。4日で10大会という凄まじい連戦だ。ユニットごとのプロデュース興行、コスチュームチェンジマッチなどバラエティ色の強い試合もあったが、何しろ会場は炎天下の野外ステージだ(屋根が付いているが、そのぶん熱気がこもる)。選手も観客も闘いを満喫しつつ、体力勝負の10連戦だった。

 

ただ、4日間10興行、現地にいた一人として言わせてください…
橋本氏は、この4日間10大会のうち、最終日の2大会しか会場に来てないです。
 
実際、最終日の8.14~8.16まで、こんな感じでしたから。
 
1日目(8.14)は、東女からのアイドル現場。
 

 

2日目(8.15)は上野に行った形跡なし(自身の記事のツイートが主体)で、3日目(8.16)がノア春日部。
 

 

 

(映像で見返している可能性もありますが、)2大会の取材で、さも10大会全てを取材したかのような書き方。
 
記事で嘘をついていると分かってしまった瞬間、氏の記事に対する信頼性も、私の中で失われてしまいました…。
 
私がジャン斉藤氏のツイートを見るまで、例のNumberの記事を読まなかったのも、それが理由だったりします。
 
基本、Number WebやABEMA TIMESで掲載される、DDTグループや女子団体(アイスリボン、スターダム)の記事を見かけても、大体「橋本氏が書いたんだろうな」と察してしまい、避けていた所があるので(そして、その予感は大体当たるという)。
 
 

「遅かれ早かれそうなる」という予兆と、終焉

 
ただの「フリーランス」とは言い難い橋本氏の立場を考えた時に、上記のような言動や行動は、団体(特にDDTのイメージにも大きく響いてくるのではないかという懸念を、私自身、以前から感じていた部分があります。
 

 

 

 

これが仮にDDTグループに属していたならば、社内的に咎めることも出来たのでしょうけれど、フリーランスである以上、それは望めない訳で。
(ただ、DDTは、橋本氏の擁護した「膝舐め」を始め、コンプライアンスに抵触しかねない案件について、特段対策も取ってこなかったのも事実ですが。)
 
このまま余程の事が無ければ、DDTグループと橋本氏の、曖昧かつ歪な関係性は終わりなく続いていたかと。
 
ただ、その関係性に終止符が打たれるキッカケが、後からCAグループ入りした、NOAHの関係者である武田取締役との話し合いだった所が、何とも皮肉的と言いましょうか…。
 
個人的に、武田さんは「いつ爆発するか分からない火種に向き合っただけで、寧ろ、武田さんが言わなかったら、多分ずっとこのままだったと思います。
 

 

 

なので、今回の件で、NOAHだけが「言論弾圧」、「差別」だと叩かれ、「橋本氏がかわいそう」という方向に向かう論調には、私自身、言いようのない違和感を覚えてならないのです。
 

 

 

何度でも言いますが、東スポの件はノアの対応も含め、悪手でした。
 
ただ、橋本氏の言動をSNSで見聞きしている一人としては、氏の「差別問題」のダブルスタンダードには心底辟易していた訳で。
 
ジャン斉藤氏も仰っていましたが、「(プロレスは文脈の理解で成り立っている中で、プロレスが、)プロレスに理解が無い人が攻め込みやすいジャンルになってしまう。」、「(橋本氏の件は)いつかは訪れるものであったかもしれない」というのが、まさにそれだと。
 

 

そこに、普段の行いが加わるともう、「遅かれ早かれそうなる」としか私には思えなかったんですよ。

その終焉が、今回のNumber記事だった、という事かと。

 

まとめ~私も、深淵を覗いている~

私は今回の件で、「橋本氏のライター生命が終わった」とは全く思いません。
主戦場が、アイスリボンプロレスリングBASARA、スターダムとかに変わっていくだけだろうな、と。
 
擁護派の意見では「バックステージコメントや記事が見られなくなる」とは言うものの、前者は当日中にDDTの公式サイトでアップされますし、後者にしても今回のNumberの記事で政治主張を強引に挟むリスキーさが分かった以上、氏の記事が見られなくなっても構わないと感じてるクチなので、そこは別に気にならないです。
 
まあ、Numberで載らなくなるのは結構痛いか…(でも、止む無し)。
 
・【参考】2021.2.23DDT名古屋国際会議場大会レポート
 
個人的には、一ファンか、ライターか、という立場の違いも大きかった気もするんです。
実際、私もツイートで政治的主張をしたり、それに関して「いいね」や「リツイート」をするので、正直、この件で身につまされた部分があります。
 
多分、私が橋本氏と同じ立場で政治的主張をしたならば、同じか、それ以上に叩かれるはず。
 
私も、深淵を覗いている…。
 
そんな事を考えさせられる、今回の一件でした。
 
【必読です】