カメラマンに気遣いを求めるのは間違っているだろうか~カメラマン問題について私が思うこと~
楽しい楽しいプロレス観戦
そんな趣味で、不快な思いはしたくない所ですが、色んな問題がありますね。
野次、マナーetc…。
その中でも、ちょいちょい各団体で出てきているのが「カメラマンが邪魔で前が見えない」という問題。
個人的に色々思うところがあるので、今回はその話に触れていきたいと思います。
- ■良いカメラマンは確かにいる。でも…
- ■最前列"だからこそ"のプレミアム感が無くなる恐れ
- ■「客とカメラマン同士の直接的トラブル」になるのが一番恐い
- ■YMZに見る「邪魔だったら遠慮なく言ってほしい」精神
- ■まとめ
■良いカメラマンは確かにいる。でも…
カメラマン問題って、ぶっちゃけ「カメラマン本人の意識の問題」に起因するんじゃないか、と私は思うんですよね…。
サムライTVとかのカメラマンが色々言われたりする事も度々Twitter上で聞いたりするんですけど、昨年春に仙台で大日本プロレスを観戦しに行った時のサムライのカメラマンは、最前列の端にいた私から見ても、視界の邪魔には全くなってなかったんですよね。
今年、仙台で大日本プロレスを観戦時に撮った写真だけど、最前列に座っていても、このカメラマンのように一貫してサードロープから撮ってくれれば、何の問題も無いと思うんですよ…
— レンブラント (@rembrandt_kbs) April 16, 2018
ちなみにこの方もサムライTVのカメラマン
同じ局でも、完全立ちっ放しなカメラマンもいるし、意識の差なんだろうなあ pic.twitter.com/Euk9bViYS2
今日の大日本プロレスの仙台大会、最前列の一番端にいたのですが、サムライのカメラマンさんが視界を配慮してくれる人で、個人的に凄く嬉しかった😭
— レンブラント (@rembrandt_kbs) April 1, 2018
リングサイドのカメラマンがこの人以外いなかった、というのもあると思うけれど、それ込みでも凄く見やすかった!
こういうのも伝えていきたいです😊 pic.twitter.com/y4Fkwq5rrr
以前、カメラマン問題について私がツイートした際、ボクシングのカメラマンさんから反応をいただきまして(現在そのツイートは消滅)、「自分自身身体が大きいので、後ろのお客さんの邪魔にならないよう心掛けてます」なんておっしゃってたりしたんですよね。
「カメラマンが邪魔」という話は、どの団体でも起こりうる事
— レンブラント (@rembrandt_kbs) March 29, 2018
別に、全てのカメラマンが悪い訳では無いとも思うんです…
ボクシングだけど、「自分は身体が大きいので、後ろのお客さんに邪魔にならないよう気をつけてる」と言って下さったカメラマンさんもいる
意識の差、って言うと乱暴なのかな…?
NOAHとかDDTでカメラマンをされている宮木カメラマンの気遣いも、本当に素晴らしいです。
宮木です。とてもありがたい。
— LIVE!@ノア写真集&写真展 (@photothelive) April 12, 2018
カメラマンは裏方だけど、プロレスにおいては登場人物でもある、と教えられました。お前邪魔だよ!って方もいるとは思います。
そうならないように、さらにその中で良い写真をお届け出来るようにバランスをとって、忍者のようになりたいです。(๑ ˊ͈ ᐞ ˋ͈ )ƅ̋ https://t.co/q33GfThPWc
ただ、現地にいると、カメラマンのせいで全然見えない、なんて事もある訳でして…。
私自身、昨年11月に、DDT後楽園大会を特別リングサイド(南側A列中央)で見てたんですけど、こんなカメラマンがいたんですよね…。
みんながケツを向けて組体操をやってるこのシーン…
このカメラマン、組体操が終わるまで、ずっとこの体勢のまま動きませんでした…。
Shit!
よくDDTグループだと、カメラマンがよく批判されていて、以前にもそういった不満が出てたりしました。
大社長も対応に乗り出してくれてる旨をTwitterで話していましたが、改善がなされないってことは、これ、Abemaがアレなんですかね?
それとも、明確な対応に乗り出さないDDTがアレなんですかね?(多分どっちも、なんだろうなあ)
お疲れ様です
— ひろけそ [official] (@hirokeso) September 6, 2018
さんざん耳には入っているとは思いますが、AbemaTVさんのカメラマンをもう少し後ろのお客様に配慮願えるように会社から進言できませんか?サムライさんと違って屈むとかサードロープ下から撮るとかなく、辛い時が多々あります。仕事でありアーカイブを残す為に大切なのはわかるのですが…
何度か私の方から業者さんには伝えています。細かい部分は申し上げれないのですが話し合いも行なっています。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。少し時間をください。
— 高木三四郎 SanshiroTakagi (@t346fire) September 6, 2018
■最前列"だからこそ"のプレミアム感が無くなる恐れ
個人的に、カメラマン問題って、値段もグレードも高い座席特有のプレミアム感が無くなりかねない、由々しき問題の一つだと思うんですよね。
高いグレードの座席って、値段が高い分、当然ながら選手や試合観戦の距離が近くなりますし、何より場合によっては場外乱闘が間近で見られたり、選手のファンサービス(ハイタッチetc)を受けられる可能性も高まる、という利点もあります。
その、決して安いとは言えないチケット代(約6000円~)を払って試合を観戦しに来たのに、カメラマンのケツばっかりしか見れなかった、なんて、目も当てられない訳ですよ。
そうした不満が積み重なって、現地観戦を遠ざけたり、「高い金払っても割に合わない」と判断されて高いグレードの座席を敬遠されたり、という事が起きたなら、それは団体側にとっても損失じゃないか、と私は考えたりしちゃうんです…。
小さなプロレス会場で前にガタイのいい人がいたら見えないので最前列買う。すると今度はカメラマンに邪魔される。高い金払ってこれなんだから、もう配信でいいやと思ってしまった。
— かとりーぬプロ (@ilprincipe180) July 16, 2017
■「客とカメラマン同士の直接的トラブル」になるのが一番恐い
個人的に、観戦しているお客さんが、カメラマンが邪魔で、ツイッターとかで不満を口にしてる段階なら、まだまだ救いはあると思うんです。
ただ、恐ろしい事に、(ほんの少数だと思いますが)「邪魔だったらカメラマンを蹴って排除すればいい」って考えてるような、所謂「口よりも手が出る」人もガチでいたりするんですよね…。
数年前にWAVEの会場で、山下りながこんなツイートをしてお客さんに呼びかけていた事があります。
試合をカメラで撮ってるスタッフさんでリング上が見えないことがあると思います。
— 山下りな (@wryyyyna66) July 15, 2016
せっかく前に座ってるのに!と腹立たしく思う気持ちはわかります。でもお金払ってるからといって蹴っていい理由にはなりません
注意したら無言で睨まれて残念な気持ちで控え室に戻りました。
やめようね!
一選手が注意することじゃない、という声もあるけど…その時に言わないと次の試合でまたスタッフが蹴られて怪我したらもっと問題です!
— 山下りな (@wryyyyna66) July 15, 2016
セコンドの選手の役目は会場にいるお客さま、スタッフ、選手みんなを守ることです!
お前がすることじゃない、ではなく協力してくれるとありがたいな!よろしく!
私自身も、そういう恐ろしさの一端を感じる出来事がありました。
2年程前、某会場のエレベーターで客同士の小競り合い(足踏んだとか踏まないとか)があったので、私がそれを止めに入った事があるんです。
その時に、そのお客さんの一人から「兄ちゃん、度胸あるね」なんて事を褒めて頂いて、少し立ち話をする機会があったんですけど、その中でこんな話があったんです。
「この前、前にいた○○(テレビ局)のカメラマンが邪魔だったから、蹴ってやったよ!(笑)」
その人が極端に「武闘派」系な方だった、というのが大きいのかも知れないですが、まあ、その話聞いたらフツーに引きますよね(苦笑)。
ハッキリ言って、(当たり前ですが)暴力は絶対にダメです。
でも、団体側がカメラマン問題について対応してないと、いずれはカメラマンと客の間で、こうしたトラブルが起きてしまうんじゃないか、という恐れも個人的には感じている訳でして…。
そうなる前に、キチンと対応して、団体やカメラマンサイドが、お客さんにとって極力ストレスフリーな観戦環境を整えていかなくてはいけないのではないでしょうか?
■YMZに見る「邪魔だったら遠慮なく言ってほしい」精神
個人的に、プロレス観戦のカメラマンが邪魔という問題になると、YMZの対応を挙げずにはいられません。
先日、元旦にYMZ主催の「初日の出プロレス」を観戦したんですけど、その前説の最後で、吉野恵悟レフェリーと、カメラマン等を務めるマサキ氏の間で、こんなやり取りが交わされていました。
吉野「(マサキ氏に)あと、何か説明しておく事ってありますか?」
マサキ「もし、試合中に(僕達)カメラマンが邪魔だったら、遠慮なく言ってください!」
実際、試合中にも、こうした気遣いの精神が形として出ていました。
当日の会場(新木場1stRING)では、リングサイドにはカメラマン1人、映像カメラマン2人、という体制だったんですけど、3人とも身体をギリギリまで低くした体制で、一貫して撮影していたんですよね。
カメラマンならそういうのは当たり前じゃん、と思われるかも知れないですけど、その当たり前が実行できているケースが少ないから、尚更こういう真摯な対応が目立つと思うんですよね。
昨年、マサキ氏からTwitter上でそういうお話についてお聞きする機会がありました。
「最前列にいても、カメラマンがいて視界が遮られる」という話をTLで目にする😖
— レンブラント (@rembrandt_kbs) January 5, 2018
こういう話を聞くと、「ファンを第一に考えたい」として、「もしカメラマンが前にいて見えない場合は、遠慮なくスタッフにお声掛け下さい」と試合前にアナウンスしてるYMZって、本当に凄い団体なんだと実感します…
ありがとうございます!
— マサキ※音楽と映像作る人 (@YMZnoMASAKI) January 5, 2018
アナウンスで言い切れる理由として、幸いなことに私自身が撮影も映像編集もDVD化もしてて、さらに中継映像も私が作るため、録った映像が乱れててもディレクター等に怒られることはないというのがあります。
綺麗に録ることよりも、最前列のお客様の観やすさを最優先しています
大きな大会は取材も多く、写真も映像もブレずに綺麗に撮影しないと駄目なため本当に大変だなと思います。
— マサキ※音楽と映像作る人 (@YMZnoMASAKI) January 5, 2018
YMZの場合はそもそも人数が少なく、写真もオフィシャルで映像取材もご理解頂けてるので録れなかった時は私の撮影映像をお渡しして相互協力してます。今は弱小だから簡単ですが今後も貫きます!
「自分の撮影した画像は他のメディアに提供している」など、団体が小規模ゆえに出来る事だとは思いますが、それでも、YMZの観客第一に考えてくれるスタッフの方の努力は、もっともっとメディアの方に広まっていいんじゃないか、と私は思います。
■まとめ
メディアのカメラマンの皆様の存在は、プロレスを雑誌や記事などで広める上で、とてもとても欠かせない存在ではあると思います。
ただ、そうしたカメラマンの存在で、現地観戦のお客さんが泣きを見るような事はあってはいけないとも、私は思います。
そのためにも、こうしたカメラマン問題で泣きを見るお客さんが、一人でも減る取り組みが、団体などからなされることを、心より願うばかりです。