レンブラントのプロレス場放浪記 第5回〜疾走〜
2021.5.9に、埼玉県にある『SKIPシティ』で、アイスリボンを観戦してきました。
緊急事態宣言の発令を受け、東京都内は軒並み興行が無観客&延期&中止という状況の中、それでも、埼玉までプロレスを観戦しに行ったのには理由がありました。
それは、先日、Yahoo!ニュースに掲載された記事…。
2018年大晦日のデビューから、僅か1年8ヶ月で団体の頂点に登り詰めた鈴季すず。
今年1月にシングル王座を陥落した直後、本人の要望で実現したハードコア7番勝負。
この内容に対し、ニュースのコメント欄には批判的な意見が…
「ファンが引くだけ」
「自己満足」
試合後、両選手からも、このようなツイートがなされた程…。
今思ってること、言わないとモヤモヤしてしまうので書きました!#iceribbon#プロレス pic.twitter.com/Jixh6x7jAF
— 🔥鈴季すず 🔥ハードコア7番勝負中! (@ice_suzu) 2021年4月25日
昨日の試合の事で周りが騒いでますがああゆうスタイルの試合がしたいって言う彼女の気持ちに全力で応えただけ。彼女の気持ちに本気を感じたから。試合への経緯や選手の気持ちも知らないで記事だけで批判しないで欲しい。まぁ批判は付き物だから片隅に置いて我が道を進みます。彼女もまた強くなるよ。
— 竹田 誠志 (@crazykid0813) 2021年4月25日
この反応を目にして、逆に『ハードコア7番勝負』が気になり出した私は、「彼女の試合を是非見なければ」と思い、観戦を決意!
(プラス、昨年末からアイスリボンを観戦できていなかった、という事もありますが…)
5.5はチケット完売だったみたいなので…
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年4月26日
SKIPシティ、いっちゃうぞバカヤロー!!!!!!💪💪💪💪💪 pic.twitter.com/BBvlndjaBE
4月末にチケット予約した段階では、今大会で7番勝負が組まれるかは不明だったものの、その後、『鈴季すずvs木高イサミ』のハードコアマッチが決定!
大会当日、私は胸を躍らせながら、川口へと向かったのでした…。
今回は、『ハードコア7番勝負第5戦』も行われた、アイスリボンSKIPシティ大会の観戦記になります。
まだ未来は空っぽのままで
新しい予感に泣きそうだぜ
くだらないのはおまえの方だろ
わからないのかい疾走の理由が『疾走』 - GRAPEVINE
https://www.uta-net.com/song/79585/
会場概要
今大会の会場である『SKIPシティ』は、JRの川口駅・西川口駅から、バスで10分前後の距離に位置。
西川口駅からバスで行くと、10分経たずに最寄のバス停まで到着。
バス停から3分前後歩いて、ようやく会場に到着!
ただ、興行が開催される土・日・祝日ですと、会場までのバスが1時間に1〜2本ペースと少なめなので、注意が必要か。
奥の手でタクシーという手段もありますが…(以前使った時は、大体1000円位でした)。
駅から遠目な立地ながら、敷地内には飲食店やコンビニ(大学の購買に近い雰囲気)も揃う充実度合い。
いざ、開場!
会場内は比較的新しい作りで、ひな壇こそ無いものの、写真を撮るのに特段難儀はしない印象。
現在ですと、アイスリボンが定期的に興行を開催している印象が強いですが、過去にはDDTプロレスリング、プロレスリングNOAHなども使用経験あり。
良い会場ではあるのですが、一つだけ難点が…。
通信環境が良くない!
入口近くの座席でも、ドアを閉められると、この通り…。
(通信サービスはありません…!!)
会場内にミノフスキー粒子が散布されているのではないか、と疑ってしまう程に、実況ツイート泣かせな会場(泣)
SKIPシティの会場内には、確実にミノフスキー粒子が散布されています(確信)
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年5月9日
漏れ聞こえた生中継の解説によると、会場のネット回線が弱すぎて、別のモバイルWi-Fiを使用していたそうなので、「ああ、私だけじゃなかったんだ…」と思いました#というね #通信障害 pic.twitter.com/Lo0SYmxvOo
この日も、換気の為、試合の合間にドアが開いているタイミングを利用して、必死こいてツイートしてました(笑)。
これは私だけなのかと思いきや、大会を生配信する裏方さん達も苦戦しているようで…。
私の席の近くから漏れ聞こえた、ネット生配信の実況・解説によると、会場の回線が不調だった為、団体が保有するモバイルWi-Fiを使用して、今大会を配信していたとのこと。
一番の敵は、通信環境なのかもしれませんね…(泣)
大会概要
この日は全6試合がラインナップ。
タイトルマッチは無いものの、
●5.16仙台大会のICE×∞王座戦・『藤本つかさvs宮城もち』の前哨戦4WAY
●『鈴季すず・決意のハードコア七番勝負』第5戦
●Fantast ICE王座次期挑戦者決定戦・『藤田あかねvs雪妃真矢』
など、注目カードが並んでいました。
https://iceribbon.com/event_detail.php?id=2792
個人的に、アイスリボンのSKIPシティ大会は毎回完売しているイメージが強いのですけれど、この日も当然の如く、全席完売!
私自身、生観戦した数は少ないものの、アイスリボンのラジアントホールとSKIPシティは基本的にハズさない、安定感と信頼の高さ勝手ながら抱いております。
オープニング6人タッグマッチでは、所属外選手中心のユニット・『REBEL&ENEMY』が早くも登場!
対角には、石川奈青、バニー及川、アクトレスガールズの青野未来という若手陣営。
この試合、ラム会長のロープワークがめちゃめちゃ早くなっている事実に震えました…(速すぎて写真撮れず…)。
対角に立つ青野未来は、もっと評価されて良い選手。
蹴りが良いんですよね!
将来的にはアクトレスガールズを背負う存在になりそう。
試合は、『REBEL&ENEMY』が穴一つない連携プレーで石川奈青から勝利!
第2試合では、6.27後楽園ホール大会で引退を発表した松屋うのが、引退ロード初戦で世羅りさと激突!
試合していても、互いの仲の良さが伝わる内容。
世羅りさのジャイアントスイングのフォーム、めっちゃ安定していて凄く綺麗…✨#iceribbon #撮りすぎ #それが良い pic.twitter.com/idPZ7izG6Z
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年5月9日
ただ、エルボー合戦の最中、世羅が「(うのの事は)そんなに好きじゃない」と言ったのは酷すぎた気も(笑)。
松屋うの「世羅さん大好き!」(エルボー!)
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年5月9日
世羅りさ「ごめん、そうでもない」(エルボー!)
うの「ひどいっ!」(エルボー!)
世羅「嘘、好き!」(エルボー!)
双方親しいことが伝わるエルボー合戦、好きです😀#iceribbon #はっぴぃかめら pic.twitter.com/q46OOKmtKj
試合は世羅が勝利!
第3試合は、『星ハム子&星いぶき&春輝つくしvsテクラ&チェリー&松本浩代』による、アイスvs外敵軍の一戦に。
5.16仙台大会で、柊くるみ&松本浩代の持つタッグベルト挑戦を控える星親子。
先発は松本の指名で、星いぶき!
この日の星いぶきは、逆水平チョップを軸に攻めるシーンが多かった印象。
元々、金が取れるレベルのエルボーを持っている選手ではありましたが、チョップも素晴らしい!
体格が特別大きい訳では無いものの、若くして将来性を感じさせる打撃技。
個人的には、もっと評価&注目されてほしい選手の一人です。
外敵部隊の攻めに苦戦を強いられたアイス勢でしたが、最後は星親子による、いぶロール⇒ハムロールのコンボで、テクラから勝利!
第4試合では、ICE×∞王座前哨戦も兼ねた、『藤本つかさvs宮城もちvs本間多恵vsトトロさつき』の4WAYマッチが実現。
この面子で4WAYを組んでしまう所が、まず豪華!
誰が3カウントを奪うのか、誰が敗れるのかも分からない混戦模様…。
この均衡を破ったのは、宮城もち!
5.16仙台大会で、現王者の藤本に挑戦を控えている宮城が、藤本との一騎打ちを制し、メタボリックサンドで3カウント奪取!
(前哨戦あるあるとはいえ、)藤本が取られる展開は一番予想出来なかった…。
『鈴季すずvs木高イサミ』
私が今大会を観戦するキッカケとなった、『鈴季すずハードコア7番勝負』。
その第5戦が、今大会のセミファイナルで実現!
相手は、プロレスリングBASARAの大将・木高イサミ!
すずは、デビュー初期のトレードマークだった自転車を漕ぎ、イサミも、2本のベルトを携えて、それぞれ入場。(※)
※BJW Jrヘビー級王座、IRON FIST TAG王座
会場で自転車を撮影してきました🚲#iceribbon pic.twitter.com/EcHING669o
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年5月9日
握手無しでスタートした試合、先に仕掛けたのは鈴季すず!
ただ、その後は、イサミがパイプ椅子を駆使した攻めで、一気に形勢は逆転…。
パイプ椅子を、リング内にいるすずに向けて投げたり、
すずの身動きを取れなくした上で、すずの自作凶器である『フォークボール(※仮称)』をセット⇒顔面に向けて躊躇なく蹴飛ばしたり、
先日あったYahooニュースの件で「絶対見に行かねば」と思わされた、鈴季すずのハードコア7番勝負第5戦。
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年5月9日
個人的には、このシーンに全てが詰まっていた気がします。
イサミの容赦ない攻めをガッツリ受けていた事が、認められている何よりの証拠。
凄いよ!鈴季すず!👏#iceribbon #はっぴぃかめら pic.twitter.com/wIG1scZrKH
相手の動きを椅子で封じた上での、非情な攻撃の数々!
しかし、この攻めをイサミが持ってきた時点で、私はこう思ったんですよね。
「一人の相手として認めていなければ、ここまで出来ない」と。
vs竹田戦で色々な意見は聞かれましたが、双方相手を認めていなければ、受ける側も攻める側も躊躇なく行けないでしょうし、実際、イサミの攻めは男子選手に対するそれと全く一緒でしたもの。
(寧ろ、ボールキックなんかは男子以上だったかも…)
自転車をリング内に持ち込んで、すずを轢こうとする無茶苦茶さもヤバかったです(笑)。
イサミ、立てかけたラダーの上から、すずの自転車に跨ってすずを轢こうとするも、失敗…
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年5月9日
MIO解説員「(過去に)ラダーでスケボーやって失敗してるのに…。この人ホント頭おかしい!」
ホントヤバい!(笑)😂😂🤣🤣#iceribbon #basara_pw #はっぴぃかめら pic.twitter.com/EmlA5i0GAX
脚攻めを挟みながら、序盤から流れを渡さないイサミに苦戦を強いられるすずでしたが、中盤以降、場外でイサミを自転車で轢くなど、反撃開始!
イサミの得意とするギガラダー上の攻防も征して、雪崩式ブレーンバスター!
畳み掛けるような攻撃から、フィニッシュのジャーマンスープレックスを狙うすず!
しかし、イサミにジャーマンを阻止された刹那、一瞬の隙を突くようにして、イサミが変型サムソンクラッチ!
これで3カウント!
試合後、納得のいかないすずに向けて、イサミがこのマイク。
イサミ「試合は終わったんだよ。ハードコア、デスマッチ、やりたい事色々分かる。ただ、今日の3カウントに納得いかないんなら、この先の3カウント納得できんのかよ。悔しかったらやり返してこい。今じゃないぞ。俺もまあまあ疲れてるから。デスマッチもハードコアもプロレスですよ。」#iceribbon
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年5月9日
ただ、悔しさを露にする彼女を見て、イサミが「お前のジャーマンは男子に匹敵するよ」、「あれ喰らっていたら負けていたかも知れないから」と評する場面も。
内容は、イサミが何枚も上の試合。
でも、前述の記事で、彼女達に向けられていた否定的な感情なんて、試合を見た後の私の中には全くありませんでした。
丸腰で、若い今だからこそ出来る事がある。
そして、彼女はその覚悟を、10代にして全身に背負っている。
これは本当に凄い事ですよ。
率直に言うと、私は、彼女がこれから歩む道を追ってみたくなりました!
鈴季すず、半端ないって!
『藤田あかねvs雪妃真矢』
この日のメインイベントは、『藤田あかねvs雪妃真矢』のシングルマッチ。
2020年に新設され、初代王者の世羅りさが現時点で9度の防衛に成功しているFantast ICE王座。
rembrandt38hentai.hatenablog.com
メインは、その次期挑戦者決定戦となりました。
セミのハードコアマッチで既に大満足だった私ですが、メインもメインで凄かった!
「セミの内容を超えるの、中々大変そうだ…」という私の勝手な見立てを、見事に打ち砕く内容でしたから!
両選手とも、新コスチュームで臨んだという一戦は、雪妃が藤田の左腕攻めで主導権を握る展開に…。
「テーピングが丸見えだよ!」と、時折笑みも見せながら攻めていく雪妃、こわい!
現時点で世羅に挑戦した事が無い&世羅のパートナー&実績十分な点から、試合前は雪妃勝利と見ていた私。
試合前半は、雪妃の穴の無さが際立っていた印象でした。
まさに、盤石の試合運び!
雪妃に押され気味な藤田でしたが、後半から、徐々に攻撃の機会が増えていきます。
個人的に、ここで試合の明暗を分けたと感じているターニングポイントがあります。
それは、『藤田のヘッドバット』。
エルボー合戦の最中、藤田が雪妃に見舞ったヘッドバット!
会場内に響いた鈍く重い音は、声を出せない観客席が思わずどよめいた程…。
この強烈なヘッドバットを複数発貰った事で、動きが止まった雪妃…。
このチャンスを逃さんとばかりに、藤田が『みかんでポン』!
そこから更に、雪妃を担いで、アメリカンオレンジドライバー!!!
このフルコースを雪妃も返すことが出来ず、3カウント!
藤田にとって、シングルでは実に約6年ぶりという、雪妃戦での勝利。
ただ、その年数を感じさせない程、藤田に強さを感じた試合内容でした!
あれやられたら誰も返せない…。
見事、Fantast ICE王者・世羅への挑戦権を掴み取った藤田。
2020年8月の上野大会、同年大晦日の後楽園ホール大会と、世羅の持つ同王座に挑戦してきた藤田にとって、今回が3度目の挑戦に。
舞台は5.22坂出大会に決定。
3度目の正直、なるか…!?
世羅「(Fantast ICEの)防衛戦はどこでやる?」
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年5月9日
藤田あかね「坂出!みんなタイトルマッチ地元でやってるから。でも愛媛ないから、隣の香川!あと、ワシは愛媛より坂出の方が人気あるから。」
坂出大会で『世羅りさvs藤田あかね』、決定!#iceribbon
メイン終了後、藤田から「(大会を)締めるって気持ちいいですね!」というマイクも。
これには思わずグッとくるものが…(泣)。
藤田あかね「雪妃には6年ぶりにシングルで勝ったみたいです。雪妃は何でも出来て、人気もあって、『ワシなんか』って思っていたけど、自信を持って、ちゃん(世羅)の前に立てる気がします。」
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年5月9日
「メインを締めるって良いですね!」
熱すぎて泣いたわ…#iceribbon
まとめ
全6試合、満足度の高さを感じた、今回のアイスリボンSKIPシティ大会。
試合内容も安定していて、完売御礼も納得の満足度でした!
5.9アイスリボンSKIPシティ大会の雑感
— レンブラント🍻🤼🎸🍴🍹 (@rembrandt_kbs) 2021年5月9日
・毎回完売の印象が強いSKIPシティ大会は、全6試合、完売も納得の内容!
・『鈴季すずvs木高イサミ』、イサミが容赦なく攻めていた事が全て。すず凄い!
・メインの『藤田あかねvs雪妃真矢』は、あかねが文句なしの勝利。藤田強い!#iceribbon #はっぴぃかめら pic.twitter.com/CABk8TW2je
私自身、以前に『藤本つかさvsラム会長』(2019年6月)のシングルマッチを観戦したり、(他団体ですが)DDTの『T2ひ〜vs大家帝国』を観戦したりと、SKIPシティは、記憶に今でも刻まれる好勝負が生まれた地、という印象があります。
そして、今回も、私の記憶に刻まれる試合が見れました!
唯一不安定なのは、会場の通信環境だけ!
ただ、その点も含め、忘れられない会場だったりします(笑)。
また行きたい!