文体の中心でサイコーを叫んだケント~10.21全日本プロレス横浜文体観戦記~
10.21の夜は、全日本プロレス横浜文化体育館大会を観戦してきました。
この日は裏でDDT両国大会と、ビッグマッチがかち合う中で行われた大会でしたが、とにかく凄かった!
ベストバウト級の試合も見れた今大会の感想を、私なりに書き綴っていきたいと思います。
- ■第0試合 岡田vs丸山敦
- ■第1試合 渕正信、大森隆男、ブラックめんそ~れvs吉江豊、SUSHI、ウルティモ・ドラゴン
- ■第2試合 佐藤光留、青木篤志、KAMIKAZEvs野村直矢、青柳優馬、ヨシタツ
- ■第3試合 岩本、崔領二vsブラックタイガーⅦ、ジョー・ドーリング
- ■第4試合 TAJIRIvs力
- ■第5試合 ジェイク・リーvsディラン・ジェイムス
- ■セミファイナル 石川修司、諏訪魔vsKAI、真霜拳號
- ■メインイベント ゼウスvs宮原健斗
- ■"最高"と"祭り"の間
- ■まとめ
■第0試合 岡田vs丸山敦
普段はコミカルな面を見せる試合が多い印象の丸山ですが、この日は完全にシリアスモード。
岡田の側頭部に強烈なバズソーキックや延髄蹴りを浴びせるなど、長期欠場から復帰して間もない岡田に容赦なく襲い掛かります。
丸山優勢で進んでいた試合でしたが、最後は岡田が一瞬の隙を突いて丸め込み、丸山から逆転勝利!
硬軟切り替えられる丸山敦の凄みを感じたと同時に、復帰したての岡田にとっては今後に弾みをつける大きな一勝になった試合だと感じました。
今大会では、来年2月にJr.のシングルリーグ開催も発表されたので、そこでまた両者の再戦が見られると良いのですが…。
■第1試合 渕正信、大森隆男、ブラックめんそ~れvs吉江豊、SUSHI、ウルティモ・ドラゴン
Jr.タッグリーグの前後から出場しはじめたブラックめんそ~れ、最初に見た時は、どうしてもキャラの痛々しさみたいなものを感じましたが、実際会場に行くと声援がもの凄い事を改めて実感
「シャー」も定着しつつあるかな?
試合はウルティモ・ドラゴンの素早いラ・マヒストラルに渕も肩を上げられず、3カウント!
■第2試合 佐藤光留、青木篤志、KAMIKAZEvs野村直矢、青柳優馬、ヨシタツ
NEXTREMEvsEvolution!
第1試合以上に階級差無視なカード編成な感もありましたが(笑)、ヨシタツが佐藤に関節技を極めようとしてたり、KAMIKAZE兄貴のムーンサルトプレスも見れたりと、結構お得感ありました。
試合は野村が青柳との連携攻撃から、最後はダイビングボディプレスで佐藤を撃破!
変態自衛隊、これ勝ってたらアジアタッグ挑戦も見えてたカードだったんだろうなあ、きっと…。
■第3試合 岩本、崔領二vsブラックタイガーⅦ、ジョー・ドーリング
とにかくジョー・ドーリングのインパクトが凄かった!
重いドロップキック一発で会場を唸らせたり、岩本には足4の字を極める場面もあったりと、その巨体とのギャップに萌えそうになりました(爆)。
試合は岩本がブラックタイガーⅦからヨーロピアンクラッチで技ありの3カウント!
11月に近藤修司との世界Jr.王座リマッチを迎える岩本
このヨーロピアンクラッチは、王座戦に向けた秘策と見て良いのでしょうか?
気になる!
■第4試合 TAJIRIvs力
個人的に、戦前から楽しみにしていたカードの一つ!
端的に表現すると、TAJIRIの老獪さと、力の愚直なまでの純粋さが、良い方向に向かっていた試合だった気がします。
試合序盤、TAJIRIが場外から力を挑発する場面があったんですけど、そこで力が場外に降りて、まんまとTAJIRIの策に嵌まってしまうんですよね…。
それでも、力は「それでも真っ向勝負」と言わんばかりにチョップを浴びせ、終盤には必殺技のセイバーチョップがTAJIRIにヒット!
会場のボルテージが一気に上がった瞬間!
しかし、TAJIRIはカウント2.9で肩を上げたのでした!
その後、TAJIRIが変形のチキンウイングアームロックで力を捕縛すると、レフェリーが試合をストップ!
TAJIRIも、「毒霧⇒丸め込み」という必勝パターンがある中で、敢えてチキンウイングアームロックで試合を決めてきた所が、力の真っ直ぐな姿勢に対する一種のアンサーだったのかなあ、と私は勝手に感じてしまいました(笑)
■第5試合 ジェイク・リーvsディラン・ジェイムス
Sweeperの大将であるジェイクと、そのSweeperを離脱したディランによる遺恨清算的なシングル。
横浜文体という大きな会場の最後列から観戦していても、両者の動きはめちゃめちゃ映えていたように感じました。
やっぱり身体が大きいのは武器だなあ、と。
一発一発の技も、場外乱闘も迫力がありました!
因縁のシングルは、ジェイクがニーパッドを外すと、生膝でディランにニーリフト!
今年の「王道トーナメント」一回戦で対戦した、秋山準を思わせる技で勝利したジェイク
11月開幕の「世界最強タッグリーグ」には崔と組んでの出場が決定しているジェイク・リー
個人的には、大柄かつストライカータイプの両者がタッグリーグでどれだけ大暴れするか、という点にも注目したい所です
■セミファイナル 石川修司、諏訪魔vsKAI、真霜拳號
元王者チームのKAI&真霜が、現王者チームに挑戦した一番でした
序盤、石川のテーピングで固められた右肩を容赦なく攻め込んだ挑戦者チーム
そこから上手いことリズムを掴んで行きましたが、暴走大巨人も規格外のパワーで押し返します。
終盤、KAIが本家公認雁之助クラッチであわや3カウントという所まで王者チームを追い詰めましたが、最後は諏訪魔がバックドロップホールド⇒ラストライドという必殺フルコースでKAIから勝利!
暴走大巨人、これで現王者&昨年度覇者の肩書きを背負って、世界最強タッグリーグに出陣することとなりました。
いやあ、王者チーム強すぎますわ…😲😲
後で知りましたが、真霜が右肩を負傷するアクシデントに見舞われていたそうですね…
この日は昼にK-DOJO後楽園大会で約30分戦い抜いた後で世界タッグ戦
本当に凄いわ、ましもん…
自軍のアクシデントを背負いながら奮闘していたKAIも凄かった一戦でした
■メインイベント ゼウスvs宮原健斗
三冠王者のゼウスに対し、王道トーナメント覇者の宮原が挑む三冠ヘビー級王座戦!
7月の大阪ビッグマッチ以来となる再戦ですね
大会前は「王者vs覇者」という煽り文句がつけられていたりした今大会のメインイベントですが、試合はそのフレーズに違わぬ激闘となりました。
個人的に、今年のプロレス界ベストバウトと言っても過言ではないほど!
その中でも特に印象的だったのが、互いに最上級フィニッシャーを返した場面でした
試合終盤、宮原が最上級フィニッシャーである、シャットダウン式ジャーマンスープレックスホールドをゼウスに決めるのですが、これが何とカウント2!
個人的に、シャットダウンジャーマンが返される展開ってほぼほぼ無かった印象なので、これは意外でした😲
個人的に、プロレスで奥の手の必殺技が決まらないと、大概技を耐えた相手(今回だとゼウス)に流れが行ってしまったりするものなのですが、宮原も宮原でゼウスのジャックハマーをカウント2で返すんですよね(笑)
もう、意地と意地ですよね!
どちらが勝つか全く読めなくなったシーソーゲームを制したのは、宮原でした
ブラックアウトなどの打撃技から、最後は2発目のシャットダウン式ジャーマンという怒涛の畳み掛けで、ゼウスから3カウント!
終盤、横浜文体という大会場で、後楽園ホール並の重低音ストンピングが観客によって踏み鳴らされていた事が、試合の盛り上がりを表していたような気がします。
■"最高"と"祭り"の間
試合後、宮原はゼウスに「一緒に全日本プロレスを盛り上げていこう」とマイク
ゼウスもそれに応じる形で握手!
宮原「ゼウスさん、お互い違うユニットだけど、お互いのプロレスをして、全日本盛り上げて行きましょう!」
— レンブラント (@rembrandt_kbs) October 21, 2018
ゼウス、リングに上がって宮原と堅い握手!😭😭😭😭😭😭
会場からは大「ゼンニッポン」コール!
こんなん泣きますわ…😭😭😭😭#ajpw pic.twitter.com/y8Z020MIAf
今年7月に三冠ヘビー級王座を初戴冠したゼウスでしたが、約3ヶ月での王座陥落…。
しかし、この約3ヶ月でゼウスは、
・流山で三冠をかけた石川修司との死闘
・王道トーナメント1回戦メインでの野村直矢との熱戦
・今回の横浜文体での宮原健斗との激闘
と、多くのベストバウト級の試合を展開しました。
そして、何より、宮原の代名詞でもある「全日本プロレス、最高!」に対して、「全日本プロレスは'祭り"やで!」というゼウスらしさ溢れるフレーズが出来た事は非常に大きい気がします!
正直、文体メインをゼウスで締める姿も見てみたかったなあ…。
うーん、悩ましい。
■まとめ
「全日本プロレス、まだまだこんなもんじゃないでしょう!皆のこんなもんじゃないって思いを、俺はリングで示していくから」
宮原「自分が全日本で何が出来るか、俺はプロレス人生をかけて証明していきたいと思います」
— レンブラント (@rembrandt_kbs) October 21, 2018
「全日本プロレス、まだまだこんなもんじゃないでしょう!皆のこんなもんじゃないって思いを、俺はリングで示していくから」
「全日本プロレス、最高ですか!(観客の反応に)今日はよく聞こえる!」#ajpw pic.twitter.com/vyx9cu5XmS
宮原が試合後に発したマイクです。
今大会が行われた10.21は、真裏でDDTプロレスリングの両国国技館大会が開催。
格闘技も含めると、新木場ではパンクラスの記念すべき300大会目の興行が行われるなど、関東でビッグマッチが多く開催された日でもありました。
全日本プロレスの今大会も、集客的な部分で、その影響を少なからず受ける結果になったかも知れません…。
しかし、あの日の「ゼウスvs宮原」で、横浜文体中の観客が大きく沸いた瞬間は、私自身、プロレスを見てきた中で忘れられない光景になりました。
そして、「こんなもんじゃない」と言い切った上で、観客の総意を汲み取ろうとする宮原の姿に、全日本プロレスの大きな可能性を感じずにはいられないのでした!
本当にプロレスが好きで良かった…。