「令和元年のファイティングピープルズ」 Case6:点描のしくみ〜戦闘民族のDDTUPと、「イサミvs高梨」に寄せて〜
11.3に、両国国技館で行われた「DDT ULTIMATE PARTY(以下:DDTUP)」を観戦してきました。
この日は、DDTプロレスリング、ガンバレ☆プロレス、 東京女子プロレス、プロレスリングBASARAの、 DDTグループ4ブランドが集い、 各団体が管轄するタイトルの防衛戦を行われるなど、 グループの集大成を見せる大会に!
今更振り返る、「戦闘民族」のULTIMATE PARTY
まず先陣を切ったのは、BASARAの大将・木高イサミ!
プラケース100箱をリング上に敷き詰めて試合をするという、 珍しい形式のハードコアルールで行われたのですが、
霜柱を踏むように、プラケースを踏みながら前進していく2人の姿 は、相当動きづらそうでしたね…(笑)。
試合は、イサミが勇脚・斬で大社長から勝利!
試合自体は短時間で終わったものの、 試合前にギッシリ敷き詰められていたプラケースが、 ものの10分足らずであっという間に壊れていた所が、 この試合のハイペースさを物語っていたように感じました。
続いて登場したのは、下村大樹と藤田ミノル!
試合に勝った1チームに王座が移動するため、 挑戦者チームにとっては有利なシチュエーション。
リング内外で4チームが展開する攻防を眺めているだけでも、「 誰が主導権を握っているのか」分かりづらいほどの混戦模様に…。
そんな試合も終盤に差し掛かる中、 先に動いたのは王者チームのDAMNATIONでした。
試合後、佐々木は下村に何かを語りかけ、 高尾はロープに寄りかかった藤田を睨みつけ、 去っていったのでした…。
「DAMNATION」、「ALL OUT」、「魁!鋼鉄家族」、「戦闘民族」と、 各団体のユニットが集結したタイトルマッチにおいて、 唯一線になりそうだったのが、この「DAMNATION」と「 戦闘民族」の両ユニットでした。
BASARAのDDTグループ独立後も、 この両ユニットの遭遇は見られたりするのでしょうか…?
というか、見たい!見たすぎる!!
エモさとヒリヒリさが同居していた「関根龍一vs高梨将弘」
「戦闘民族」として参戦する、 最初で最後のDDT両国ビッグマッチ…。
メンバーの中で一番最後に登場したのが、関根龍一でした。
今年5月に中津良太からUNION MAX王座を奪取した関根。
DDTとBASARAの対抗戦という側面もあった一戦でしたが、 それ以上に…
・後輩の中津にシングルベルト戴冠を越されたりしながらも、 ようやくBASARAの頂上に立った関根。
というシチュエーションがただただ熱かった!
試合自体も、割と早い段階から関根がレッツコンバイン、高梨がタカタニックと、互いに必殺技を決めに行く、ヒリヒリした一進一退の攻防に…。
その一戦を制したのは、高梨でした!
必殺のタカタニックが関根に決まると、これで3カウント…!!
これにより、高梨がUNION MAX王座初戴冠を果たしたのでした!
個人的には、関根が負けたことも悔しいし、高梨が勝ったことも嬉しいという、何とも複雑な心境ではありましたが(笑)、DDT両国・心のベストバウトに挙げたい一戦!
そんな試合後、高梨の前に現れたのは、関根のセコンドに就いていた木高イサミでした…。
Playback「高梨将弘vs木高イサミ」
高梨とイサミの関係性に関しては、高梨がBlogで語っていたりするので、ここでは私の思い入れをば…。
私が「高梨vsイサミ」の試合を見たのは、過去に2回あります。
①2016.1.31 後楽園ホール
初めて見たのは、遡ること約4年前…。
プロレスリングBASARA旗揚げ直後の、2016年1月のことでした。
当時、BASARAの代表でありながら、DDTのKO-D無差別級王座を保持していたイサミ。
1月末の後楽園大会に挑戦が決定した直後は、我闘雲舞の曲の歌詞にある「担ぎ担がれ負け戦」というフレーズも引用していた高梨…。
しかし、いざ試合が始まると、普段の試合では見せないようなジャベを駆使して、イサミを追い込む高梨の姿が、あの日のリング上にありました。
終盤、イサミにタカタニックを決めた高梨でしたが、カウントは2.99…。
最後は、高梨の全てを受け止めたイサミが勝ち、王座防衛!
結果だけ負け戦だったのかも知れませんが、私の脳裏には今でも強く焼き付いて離れない、素晴らしい一戦でした!
②2018.7.8 両国KFCホール
2回目は、2018年7月8日に開催された、「高梨将弘自主興行」のメインイベント。
普段は酒呑童子でサポート役に徹することも少なくない高梨
— レンブラント🤼🎤🍺🍳🎸 (@rembrandt_kbs) 2018年7月9日
個人的に高梨の凄い所って、写真のような独創性のある技を、ここ一番という時にしか出さない所なんですよね!
そのギャップに惚れると言いますか!
試合中も、観客が思わず唸るような技が何度もあったなあ😳#7月8日高梨自主興行 #ddtpro pic.twitter.com/9sOnaSwU49
試合後、四方に一礼して、ノーマイクでリングを降りていく高梨の姿を、私は今でも忘れることができません。
良い試合だったという余韻の中に、"悔しさ"が強く客の胸に突き刺さる、そんな印象でした…。
自分で切符を掴んだ男の勝ち戦となるか…!?それとも至宝奪還か…!?
GMの指名から、無差別級に挑戦することになった2016年1月…
自身の自主興行で、メインにイサミを呼んだ2018年7月…
この直近2回のシングルで、イサミに敗戦している高梨ですが、今回行われるBASARA後楽園での一騎打ちは、過去2戦と明確に異なる部分があると、私は感じています。
それは、「イサミが高梨に挑戦する」シチュエーションだということ!
高梨がイサミを越えに行く構図だった過去2回に対し、今回は、UNION MAX王座を獲得した直後に、イサミから挑戦表明してくるシチュエーションを高梨から作り出したのです。
DDTグループとして最後の後楽園大会で、団体の至宝を奪還できるのか…?
それとも、高梨が王者としてイサミ超えを果たすのか…?
いざ、尋常に、勝負!!!!