レンブラントの変態漫遊記

レンブラントの変態漫遊記

プロレスが大好きな変態の日記です

Flower Tone

 5.23に、悲しいニュースがありました。
 
 
 
その日の朝、7時前に起きた私は、いつものようにTwitterのタイムラインを眺めている
と、数名のフォロワー様による、慌てた様子で何かを心配しているツイートが、私の目に飛び込んできました。
 
その後、事態を把握した私でしたが、不意にタイムライン上に映り込んだ、彼女のリストカット画像を見た瞬間、正直、涙が出ました。
 
 
「どうか、どうか無事であってほしい…」
 
 
その日仕事だった私は、日中にインターネット等も見れない状況だった事もあり、続報を把握できず…。
 
そして、退勤時間の迫った夕方になり、会社のパソコンの検索エンジンで、偶然目にしたネットニュースの見出し…。
その瞬間、私は言いようのない悔しさと悲しみに襲われました。
 
 
正直、私は、女子プロレスを回数追って沢山見ていた訳ではないですし、最後に彼女の試合を見たのは半年以上前のこと(2019.9.7スターダム新木場大会)。
 
でも、何て言えばいいんだろう…。
そんな私でも、このニュースに対して、気持ちの整理が未だついていないのです。
 

何となく、Twitterで吐き出すのも吐き出しきれない、と思ったので、ここで…。

 

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女子プロレス界」の将来を変えていく存在だった。

個人的に、木村花は、これからの「女子プロレス界」を変えていく存在だったと思っています。

 

実際、女性ファンの方から「花ちゃん可愛い」みたいな反応を見聞きすることも多かったですし、今現在の女子プロレス界における課題の一つでもある、「女性ファンが少ない」といった部分に対して、最も訴求力のある選手の一人だった気がします。

 

ただ、アーティストや声優、アナウンサーといった他業種の方々からも高く評価されていた事は、今回の件で初めて知りました…。

 

lineblog.me

 

 

news.livedoor.com

 

 
彼女も、『テラスハウス』出演時に複数のインタビューで、こんな内容のことを話していました。 

 

― 最後にテラスハウスを通じて色んな方に知られるようになったと思うので、仕事面での今後の展望を教えて下さい。

花:今まで女子プロレスは敷居の高いものというか、なかなか女性や若い方が見に来る機会がなかったと思うんですけど、テラスハウスを通じて「女子プロレスって面白いんだよ」というのをやっぱり伝えていきたいし、日頃私もよく泣くのでプロレスラーだからと言って強いわけではないというのも伝えていけたらなと思います。
 

mdpr.jp

 

 ――スターダムは今、女性ファン獲得を課題としていますね。そのタイミングで花さんが「テラスハウス」に参戦したのは大きな意味を持つことなのかなと。

デビューして間もないときから、どうやったら女性ファンが増えるんだろうと常々考えてきました。ブシロードグループ傘下にスターダムが入って、やっと自分と同じ考えの人に巡り会えたと感じています。周りの選手からも「女性ファンを増やしたいよね」という意見が聞こえるようになって、私だけじゃなかったんだと感じています。自分が女子プロレスの“入り口”のような存在になれたらうれしいです。

スターダムでは、たぶん「テラスハウス」ファンと同世代の10代、20代の女の子たちが一生懸命に体を張って試合しているところが観られます。プロレスをやっていない人だって普段何か戦って生きていますよね。私たちが闘う姿で皆さんに勇気や刺激を与えて、「自分も頑張ろう」と思ってもらいたいです。

www.excite.co.jp

彼女は若いながら、実力も申し分なしでした。


デビュー当初の2016年、JWP(現:PURE-Jの「JWP認定ジュニア王座&POP王座」を保持していた彼女の防衛戦を、後楽園ホールで生観戦した事があります(確か、「vs万喜なつみ」戦)。

 

私自身、今でも忘れられないのは、彼女が序盤にきっちりロックアップから入って、試合を組み立てていた事。

 

おおよそルーキーとは思えぬその姿に、私は強い衝撃を受けましたし(正直若手の女子だとあまり見ないシーン)、「(彼女を輩出した)WRESTLE-1のプロレス総合学院ってすげえ」と思いながら見ていた記憶があります。

「今の女子には、凄い怪物ルーキーがいるんだなあ」と。

 

その後はめきめきと頭角を現していった彼女は、各団体で活躍の場を広げていきます。

 

スターダムでは、花月と約1年(2017年6月~2018年6月)にわたってタッグ王座を守り続けるなど盤石の地位を築いていき、センダイガールズプロレスリングでは、岩田美香(白姫美叶)とのライバルストーリーを展開!

 

 

 

2018年に入ると、WRESTLE-1の所属に。

この時期に、朱崇花とのライバル関係を経て、タッグチーム「FloÜrish(フロウリッシュ)」を結成。

 

youtu.be

 

スターダム所属となった2019年からは、ユニット・「TOKYO CYBER SQUAD」のリーダーとして活動。

この時期になると、彼女が団体のシングル王座である、「赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)」や「白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)」を巻くのは、最早時間の問題だと思っていました…。 

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私が最後に会場で見た、彼女の試合(vsエバリー)だって、変型卍固め(=ハイドランジア)の極まり方が素晴らしかったですし、もう、これから先には明るい未来が待っている!

 

そう信じていました。


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私が今一番に感じているのは、「これだけ周りの人から評価され、好かれ、愛されていた人」が、急にいなくなってしまったという喪失感です。

年齢の若さだとか、プロレス関係者だからとか、そういうのではなく…。


これだけ愛されていた人が、突然この世から消えてしまった。


そして、プロレスやテラスハウス関係者以外にも、芸能人、アスリート、政治家などが、今回の件を取り上げる様子を見る度に思うんです…。


木村花は、本当なら、プロレスの明るいニュースで、多くの人から取り上げられる存在だったんだ。

 

そして、その未来と希望が、間違いなく彼女には詰まっていたんだ。

 

って…。

 

プロレスという存在に救われた夜~ChocoProLIVE #16 メインイベント・「朱崇花vs駿河メイ」~

しかし、悲しみと悔しさに襲われる気持ちから、私も救い出してくれたのも、またプロレスでした。


彼女が亡くなったこの日の夜、「チョコレートプロレス我闘雲舞が旗揚げしたスーパーチャットプロレス団体。以下:チョコプロ。)の大会がYouTubeにて生配信されました。

 

proresu-today.com



この日のメインは「朱崇花vs駿河メイ」のシングルマッチ。 


youtu.be(42:15~)
2018年頃、木村花によるタッグチーム「FloÜrish(フロウリッシュ)」で、彼女のパートナーを務めていたのが、朱崇花でした。

 
朱崇花にとって、今回がチョコプロ初参戦という一戦でしたが、試合はどちらが勝つか読めない好勝負に!

身長差のある両者(朱崇花:174cm、メイ:148cm)ではありましたが、互いに一歩も譲らなかった熱戦は、20分時間切れドローという結果に。 

いずれまた、リングで見たいと思わせる一戦でした!


試合中や、試合後に行われたジャンケントーナメントでの強気な姿勢。

 

エンディングのパフォーマンスで見せた笑顔。

 

 

 

試合前にあんな悲しい出来事がありながらも、画面の向こうでは明るく振る舞う朱崇花の姿を見て、正直泣きました…。


その後、選手全員が退場していき、大会終了というのが通常の流れではあるのですが、この日はそのタイミングで、朱崇花だけがカメラの前に残りました。
カメラの前で、朱崇花は木村花に対する思いを語り始めます(1:15:15~)。 


youtu.be

 

「今日、私の大親友の木村花が亡くなってしまいました。ずっとタッグを組んでいて、彼女のデビュー興行にも呼んで、そこからずっと付き合いが続いていて。。プロレス界で唯一と言っても過言ではない程友達だったんですけど、あまりにも早すぎるお別れとなってしまって…。正直、試合をするまで本当に花の事が頭から離れなくて。もう、今後のプロレスもどうしようかなとか考えちゃう、そんな日でした。」
 
「でも、今日、今、試合をやってみて、花の思いとかもずっとあるけど、やっぱりプロレスが好きだなと個人的に思いました。きっと花も本当にプロレス大好きで、もっともっとプロレスをしたかったと思うけど…。きっと間違った選択肢を選んで、しまっちゃったよね…。」
 
「また、FloÜrishとして活動出来る時を、本当に本当に心待ちにしていたんだけど、それはもう叶うことが無くなってしまいました。だけど、花は私の心の中で、永遠に生き続けています。『FloÜrish Forever』。この言葉を天国で忘れずにいてくれたら、私も前を向いてプロレスを頑張れます。どうか、安らかに。天国でも、あの素敵な笑顔をいっぱいいっぱい見せてください。本当に大好きでした。」

 

朱崇花が話し終えた直後、朱崇花の元にチョコプロのメンバーが駆け寄って抱きしめるシーンには、思わずグッと来るものが…。

 

 

朱崇花の存在が何より逞しかったし、何より、彼女の「花は私の心の中で、永遠に生き続けています。」という言葉に、すごく救われたと言いますか…。

 

本当に感謝しかないです…。

 

まだこの大会を見れていない方がいましたら、是非見て頂ければ、と。

それは間違いなく保障します!

 

 

 

最後に

今回の件で、直接の原因になったと言われている「ネットでの匿名の誹謗中傷」問題だったり、テラスハウスを制作していた番組関係者の責任等を問う意見だったり、色々な話が出ています。

 

ameblo.jp

 

本当は、そういうのを抜きにして、この記事を締めたかった所なんですが、私の中で、どうしても、一点引っ掛かる部分があるんです。

 

1年前、スターダム所属だった渋沢四季が現役を引退した時のことです。

当時、スターダムの代表取締役であった、ロッシー小川がこんなツイートをしていたんですよね…。

 

 

今回の件、何が本当の原因かなんて、分かりません。

 

でも、過去に誹謗中傷が遠因ともとれる選手の引退を、代表が示唆していたならば、その時の反省を踏まえた選手へのケアが、団体として出来ていたのかどうか、という点は、どうしても私の中で引っ掛かるんです…。

 

選手だと、ジャングル叫女やジュリアらが寄り添っていたようですが、団体側からも、そういった働きかけが彼女に対して出来ていたのかなあ、と。

 

 

 

 

例の「合掌!」ツイートなんかを見てしまうと、余計にそう思ってしまうんですよね…。

 

 

最後に、私自身の思い出をば…。

 

確か、2017年頃の事だったと思います。

私がTwitterを初めて間もない頃、某所で親御さんといる所をお会いした事がありました。

その後、周囲の方の配慮もあり、彼女と握手させていただく僥倖に恵まれたのですが、その場でご本人に何て伝えれば良いか分からなかった私は、プロレスのことでは無く、「コアチョコ(ハードコアチョコレート)のモデルさんをやられていましたよね?応援してます!」と、咄嗟にテンション高めで伝えてしまったのでした(汗)。

 

 
ただ、そんな私に対しても、彼女は素敵な笑顔で握手してくださったのでした…。


未だに私の中で思い出として残っている出来事の一つなのですが、まさか、こういう形で思い出す事になるなんて…。

 

 


(私の話になってしまいますが、)2009年にフジファブリック志村正彦が亡くなった時も、2019年に青木篤志が亡くなった時も、これから先に迎えていたであろう希望と未来が絶たれた事実に打ちひしがれる気持ちでいっぱいになりました。

 

rembrandt38hentai.hatenablog.com

 

今回の件だって、そうです。

私自身、紫雷美央のツイートが、一番胸に刺さりました…。

 

 

本当に悲しい…。

 

心より、ご冥福をお祈りいたします。